漫画家HOMの代表作である「大都市で起きたささやかなできごとシリーズ」は、都市の片隅で起こった小さな物語を描いている。台湾南部の女性が台北に上京して頑張っていること、オーディションに参加して若い頃からの歌手になる夢を実現するおばあさんのこと、いじめを解決できない若い教師…愛情、家族愛、友情にまつわる小さな物語を重ね、台北の風景を形作った。ここで描かれているのは、あなたと私にも共通する人生経験かもしれない。
第五話では、家族の多様性が描かれている。
側から見たらおしどり夫婦に見える奐元と多雅には、可愛い息子もいる。だが実のところ、奐元には20年連れ合う同性の伴侶・成皓がいる。子供が欲しかった多雅、両親のために婚姻関係が必要だった奐元、そしてただ奐元のそばにいられることだけを望む成皓。彼ら三人は婚姻というパッケージを選んだが、愛情のない婚姻は、本当にうまくいくのだろうか?
《大城小事》© HOM/時報出版