台北駐日経済文化代表処台湾文化センター発行、太台本屋 tai-tai books企画による「TAIWAN BOOKS 台灣好書」は、日本の皆さんにもっと台湾の本に触れていただきたいと願い、日本語で読める台湾作品の中から、特におすすめできる作品をピックアップしてご紹介しています。
「台湾大好きだけど、台湾作家の本は読んだことない。これから少し読んでみたい」「本を読むのは好きで、今まで読んだことない台湾の本を読んでみたい」「『歩道橋の魔術師』を読んで面白かったけど、次に何を読んだらいいかわからない」……と思っているみなさんのガイドとなれば幸いです。
『書店本事 台湾書店主43のストーリー』(郭怡青、小島あつ子、黒木夏兒訳、サウザンブックス社)
本と映像で“行ったつもり”の台湾書店巡りを楽しめる1冊。
日本と同じく読書離れや出版不況の続く台湾では、なぜか今、独立書店と呼ばれる個人経営の町の本屋が元気だ。
離島を除く台湾全土に点在する店の中から、個性の光る43店をピックアップ。店主たちの生の声を丁寧に聴き取り、創業時期や業務形態をベースに「老舗の書店」「経験を積んだ書店」「新しい書店」「蔵書豊富な書店以外の店」の4つの章にまとめた。
各店の基本情報ページに付されたQRコードを読み取ると、ネット上に公開されている店ごとのドキュメンタリー映像(日本語字幕)を見ることができる。
本文と約3分間の映像とに収められた店主たちの生きざまや考え方を通して見えてくるのは、知られざる普段着の台湾と、そのなかに実体書店の存在意義を見出す彼らのしたたかで真摯な姿だ。
文 郭怡青(グオ・イーチン)
絵 欣蒂小姐(ミス・シンディ)
訳 小島あつ子
黒木夏兒
2019年
サウザンブックス社
2,600円+税