著 朱 天文 Chu Tien-wen
訳 樋口裕子、小坂史子
2021年4月 竹書房
侯孝賢(ホウ・シャオシェン)は1973年に映画業界に足を踏み入れた。侯孝賢と台湾の新世代の映画製作者たちは、当時盛んだった国威発揚映画とは異なる「台湾の人々が暮らす土地の物語」というテーマのトレンドを打ち出し、台湾映画を台湾ニューシネマの時代に導いた。彼は台湾ニューシネマを代表する重要な人物である。カンヌ映画祭最優秀監督賞、ヴェネツィア映画祭金獅子賞、金馬獎最優秀監督賞を3回受賞しており、代表作は『悲情城市』、『戯夢人生』、『恋恋塵』、『黒衣の刺客』など多数。長きにわたり侯孝賢監督の脚本を書いてきた朱天文(チュー・ティエンウェン)は、台湾の著名な小説家でエッセイストであり、また台湾ニューシネマ界の最も重要な脚本家の1人でもある。その創作によって生み出される雰囲気と想像力は侯監督の心を深く動かしてきた。本書には朱天文の長年の研究による侯孝賢作品のレビューとエッセイ、そして彼女の所有する貴重な写真が多数収められている。