著 陳 宗萍 Chen Tsun-ping
訳 如月弥生
2018年9月 グラフィック社
著者陳宗萍(チェン・ゾンピン)は台湾の伝統人形劇(布袋戯/ポーテーヒー)の劇団に嫁いだ。大学では芸術を専攻し、台湾の伝統的な花柄生地、台湾花布を布袋劇の衣装として使い、台湾伝統芸術の新しいスタイルを生み出してきた。
『台湾花模様 美しくなつかしい伝統花布の世界』では1960年代に流行が始まった台湾花布を紹介している。さまざまな時代の台湾花布の意匠を構成する世界各地のアートの要素を詳細に説明している。また本書では花布が非常に強く「日本風」、「アールヌーボーとオプ・アート」、「漫画とポップアート」などの外国の意匠を備えていると結論付け、ここから台湾という島国の国民が持つ特別な包容力と想像力を知ることができるとしている。
この本は708種類の伝統的な台湾花布のパターンを収録している。これらは著者が台湾各地の古い生地店を訪ね歩き、店主の教えで布団生地やカーテン生地を一つ一つ探し出したものだ。本書は現代のデザイナーの視点から、伝統的な台湾花布のパターンと色彩を体系的に解釈した初めての書である。