大正時代の台湾は、「植物の大命名時代」だった!
薬草堂の跡継ぎ・涼山は、店番中に誤って植物学者・佐々木がまだ発表していない採集レポートを燃やしてしまう。これにより父親に植物園へ送り込まれ、労働によって返済する旅が始まる。
妹を亡くしたことで、薬草に病を治す効能があると信じられなくなっていた反抗少年の涼山。まじめで細かく、居場所を無くすまいと鬼のように必死で働く助手の松尾珀、出身は謎で悪夢に取り憑かれている野生少女の霧草の三人は縁があって植物園内の標本館「腊葉館」に集まり、植物で繋がる冒険へと発展。絆で結ばれていく。
作者は実際に台湾の林業試験場を訪れ、日本統治時代に設立された植物園内の「腊葉館」を取材。台湾植物の採集や、命名についての歴史や知識を知り、作品のキャラクターをより魅力的に描くことに成功している。
《採集人的野帳》©英張/CCC創作集