台北駐日経済文化代表処台湾文化センター発行、太台本屋 tai-tai books企画による「TAIWAN BOOKS 台灣好書」は、日本の皆さんにもっと台湾の本に触れていただきたいと願い、日本語で読める台湾作品の中から、特におすすめできる作品をピックアップしてご紹介しています。
「台湾大好きだけど、台湾作家の本は読んだことない。これから少し読んでみたい」「本を読むのは好きで、今まで読んだことない台湾の本を読んでみたい」「『歩道橋の魔術師』を読んで面白かったけど、次に何を読んだらいいかわからない」……と思っているみなさんのガイドとなれば幸いです。
『台湾レトロ建築案内』(老屋顔(辛永勝・楊朝景)、西谷格訳、エクスナレッジ)
台湾各地に残るノスタルジックな建物を訪ね歩いたガイド。台北帝国大学の教授宅をリノベーションしたレストラン「青田七六」(台北)、ブックカフェに生まれ変わった大正時代の高級料亭「一二三亭」(高雄)、モザイクタイルの浴槽もかわいい「玉山旅社」(嘉義)、廃墟から華麗なる再生を遂げた「林百貨」(台南)など、紹介されている建物は、どれも実際に訪れることができる。そしてそのほとんどが、官公庁の威厳あふれる公共建築ではなく、市井の人びとが建て、暮らし、大切に受け継いできたものだ。背景にある物語を知れば、さらに味わいが増す。あわせて「鉄窓花」と呼ばれる飾り格子や、色とりどりのマジョリカタイル、人造石、赤レンガ、装飾ブロックといった鑑賞のポイントも紹介。ディテールにこめられた家主の思いまで見えてくる。
著 老屋顔
(辛永勝・楊朝景)
訳 西谷格
2018年
エクスナレッジ
1,600円+税