台北駐日経済文化代表処台湾文化センターとSNET台湾の共同企画「おうちで楽しもう台湾の博物館」では、コロナ禍による台湾ロスにお嘆きのみなさまに、台湾を代表する10の博物館が制作した魅力的な動画に解説と日本語字幕をつけて配信します。10の博物館が描き出す台湾像はそれぞれの彩りで、多様性に満ちた台湾文化の世界にみなさんを誘います。
「おうちで楽しもう台湾の博物館」第6回は国立台湾文学館です。国立台湾文学館は、2003年に台南に開館しました。台湾文学の研究、資料収集、イベント、展覧会の開催などを行う台湾文学の拠点です。
台湾文学は、原住民たちの口承文学に始まります。明や清の時代には漢文で創作され、日本統治期になると、初期は漢文での発表が続き、1920年代には台湾語や中国語による話し言葉での創作も試み始められますが、次第に日本語文学が中心になっていきます。戦後は中国語の文学が主流になりました。一方、台湾語や客家語による創作も続けられています。最近では、東南アジアからの移民たちが母語で書いた文学を対象とした移民文学賞も開催されました(2020年10月に暫定休止発表)。
台湾文学は、日本文学や中国文学の周縁だとみなされた時代もありましたが、現在では、台湾の地で生まれたすべての文学を包容しています。
国立台湾文学館の建物は、もとは森山松之助によって設計され1916年に落成した台南州庁であり、戦後は空軍の兵站司令部や台南市政府の本庁舎としても使われてきました。その後、リノベーションを経て、2003年に国定古蹟に認定されました。国立台湾文学館は、文学ファンのみならず、建築ファンも魅了し続けています。
国立台湾文学館(中国語・英語・日本語)
https://www.nmtl.gov.tw/
バーチャル台湾文学館
http://www.tlvm.com.tw/VirtualTour