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【レポート】「大地の芸術祭」出品の林舜龍さん、幾米さんらが作品を解説

 7月26日~9月23日に新潟県の妻有地方(十日町市・津南町)で開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」に出品している台湾のアーティストらを招いたトークイベントが7月24日、東京・虎ノ門の台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで開催された。

 同イベントにはインスタレーション・アーティストの林舜龍(リン・シュンロン)さん、差事(ツァイスー)劇団の鍾喬(チュン・チャオ)監督、絵本作家の幾米(ジミー・リャオ)さんらが出席し、作品の紹介および制作過程を語った。  

 林舜龍さんは、津南町の穴山集落(最寄り駅:JR飯山線・足滝駅)で、作品『国境を越えて・村』を制作した。「穴山」というイメージから、人が生まれる母の「子宮」を表現した「時の穴」、廃道を復活させた「時の小路」、住民の古い衣料品で作成した「時の簾」、人と牛と蛙の足跡をつけた「時の足跡」、牛と仔牛が門をはさんで向かい合う「時の門」、蛙に「帰る」の意味を込めた「時の柱」など、穴山集落の住民の記憶に残る作品となることを期待した。

 差事劇団の鍾監督は、同劇団が高雄市美濃を拠点し、地域に根ざした廟の祭りの儀式などを演劇化し、住民参加型のパフォーミングアートで村おこしを試みており、今回は、林舜龍さんが作品を制作した穴山集落をはじめ、津南町の各集落でパフォーマンス『里山へ帰ろう』を披露することを説明した。

 幾米さんは、豪雪地帯である妻有地方の特徴的な丸い屋根の「かまぼこ型倉庫」に着目し、自身の絵本作品『幸せのきっぷ』(原題:忘記親一下 Kiss & Goodbye)をモチーフにした絵をJR飯山線の土市駅と越後水沢駅の駅前に設置された「かまぼこ型倉庫」に描いた。幾米さんは、「かまぼこ型倉庫」に描かれた列車の中でも絵本の世界が体験できることを説明し、「絵本作品に込められたメッセージを感じ取ってほしい」と期待を示した。

 朱文清・台北駐日経済文化代表処台湾文化センター長は、「『大地の芸術祭』は国際的にも有名なトリエンナーレであり、世界各国から著名なアーティストが出展している。台湾のアーティストの皆さんの新潟での展示が成功するよう期待している」と挨拶し、同展を通して台湾の芸術作品が日本の人々に親しまれることに期待を示した。 

大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ2015 ウェブサイト


作品を説明する林舜龍さん


作品を説明する幾米さん


座談会の様子


左1:朱文清・台北駐日経済文化代表処台湾文化センター長
左2:差事劇団の鍾喬監督
左3:幾米(ジミー・リャオ)さん
左4:林舜龍さん

 

《2015年7月27日》