謝・駐日代表は、「台湾の漫画は最近、日本でよく受賞し、台湾の漫画は日本でも高く評価されるようになった。漫画を通して台湾と日本の若者文化交流を引続き強化していきたい」と挨拶した。また、日本からのワクチン支援に関して、「台湾の人々は善良で、感謝の気持ちを大切にする社会で、台湾には『食人一口、還人一斗』(恩を受けたら何倍もお返しする)という諺がある」と述べ、日本台湾交流協会および日本の各界の方々が今回の件で尽力されたことに対し、改めて心からの感謝の意を表した。
日本台湾交流協会の谷崎泰明理事長は、「日本国際漫画賞には年々台湾からの素晴らしい作品が寄せられ、昨年は金賞が台湾からの作品だった。今回このような形で台湾の素晴らしい漫画作品を見ることができた。小学生の頃、漫画を読まずに勉強しなさいと言われたこともあったが、漫画を読むと絵も描けて、漢字も覚えることが分かり、私は漢字を漫画で覚えた。今でも人気の漫画があると読みたくなる」と述べ、漫画を通じた台日文化交流のより一層の深まりを期待した。また、「多くの台湾の方々から日本が台湾パイナップルを買ったことに対する御礼の手紙をいただいたが、最近は日本の方々からも日本が台湾にワクチンを贈ったことに、よくやってくれたと褒められることも多い」と述べた。
日本台湾交流協会は、今年2月に「日台友情 謝謝台湾!」日本人漫画家の感謝メッセージ色紙展を開催。10年前の東日本大震災の際の台湾からの支援に謝意を表すイラストを日本の漫画家が色紙に描き下ろし、展示したもので、このような温かい気持ちが、台湾のコミック・アニメファンを感動させたことから、台湾文化センターとTAICCAは今年の漫画展を開催するにあたり、本展に出展する10名の漫画家に「台日友好、台日の助け合い」をテーマにイラストを描き下ろしてもらい、感謝のメッセージを添えて本展に展示し、台湾から日本への感謝の気持ちを伝える。先月、日本から台湾に贈られたワクチンは、台湾が厳しい状況にあるときに届いた「恵みの雨」であり、日本に感謝の意を示すため、台湾文化センターはTAICCAに台湾の漫画家らに日本から届いたワクチンに対するお礼のメッセージを加えることを提案し、本展のメインテーマを「ありがとう日本」とした。
TAICCAの李明哲院長は、「クリエイティブ・コンテンツの表現を通して台湾から日本への感謝の意を伝えることは、台湾の民間の深い友情と台日友好の気持ちを示すものであり、漫画を媒介とすることにより、日本の人々に台湾への理解がより一層深まるよう望んでいる」と述べ、「TAICCAはクリエイティブ・コンテンツ産業のジャンルを超えた協力を奨励しており、台日双方が引き続き文化面で交流と協力を深め、台湾の良質な漫画作品の日本市場におけるビジネスチャンスを拡げていきたい」との期待を示した。
今回イラストとメッセージを提供した漫画家は、小峱峱、韋蘺若明、英張、Gene、每日青菜、灰野都、楊基政、胚謎pemy、米宗子、許彤の10名。2020年日本外務省第14回日本国際漫画賞金賞を受賞した韋蘺若明は、「日本のような友達がいて本当にありがたい。日本大好き!」、2020年に京都国際漫画賞対象とイラスト優秀賞を受賞したGeneは「日本の文化が大好きです。台湾と日本の友情がいつまでも続くことを願います!」とのメッセージを寄せた。そのほかにも、台湾の漫画家から次のようなメッセージが寄せられた。英張「ワクチンのご提供、ありがとうござます。この恵みの雨のお蔭様で、台湾のみんなの気持ちが少し落ち着くことができました。」、小峱峱「今回は困っているときに日本が手を差し伸べてくれてありがとうございました。将来恩返しができればと思います。」。また、台湾文化センターの紹介冊子のイラストを担当した許彤は、「日本の方々本当にありがとうございます。コロナでこの厳しいご時世ですが、一日も早く皆と会えるように願います!」とのメッセージを寄せた。
今回出展するイラストには、多くの隠された創意工夫あるメッセージが込められており、ぜひ発見してほしい。例えば、韋蘺若明のイラストの人物が来ているシャツには日本国旗がデザインされている。每日青菜は、日本の「たい焼き」と台湾の「タピオカミルクティー」を台日友情の象徴として描いている。米宗子は、台湾のパイナップル、バナナ、タピオカミルクティー、台湾黒熊をイラストに描き、日本の方々に台湾をもっと好きになってほしいというメッセージを込めている。
昨年、台湾文化センターとTAICCAが合同開催した「台湾漫画夜市展」では、25名の台湾の漫画家の作品を展示し、日本の漫画著作権エージェント関係者を招き、TAICCAによる積極的なプロモーションにより、実り多い成果が得られた。出展した台湾の漫画家のうち、これまでに阮光民『用九柑仔店』が日本との著作権ライセンス契約が結ばれ、2021年末に日本での発行が予定されている。最近では、AKRUの「百獣の笛」が角川出版の漫画雑誌「青騎士 2B号」に掲載された。また、TAICCAは同展の開催後にも10作を超える作品について約5社の日本の出版社と日本語著作権ライセンス契約を進めている。台湾文化センターとTAICCAは今年さらに漫画のジャンルを超えた応用を打ち出し、台湾漫画の注目度を高めることにより、より多くの台湾の漫画家が日本市場に進出できることを望んでいる。
今回出展する台湾オリジナル漫画は、常勝《閻鐵花(閻鉄花)》(大辣文化)、韋蘺若明《送葬協奏曲》(蓋亞文化)、米宗子《無能戀愛諮商中心(無駄な恋愛相談室)》(CCC創作集)、楊基政《請聽我的聲音!!(僕の声を聞いてほしい!!)》(東立出版社)、拆野拆替、胚謎pemy《第九號愛麗絲(第九号アリス)》(威向文化)、小峱峱《守娘》(蓋亞文化)、英張《採集人的野帳(植物コレクターのノート)》(蓋亞文化)、Gene《世界末日也要和你在一起(世界の末日もあなたと一緒)》(長鴻出版社)、每日青菜《Day Off》(留守番工作室)、以及小杏桃、灰野都《3次元男子戀愛攻略(3次元男子恋愛攻略)》(尖端出版)の10作品で、台湾の人気声優による声と、オリジナルサウンドを組み合わせ、音声付きの短編動画も作成した。
同展は東京・虎ノ門の台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで2021年8月20日まで開催される。
日本の方々のご来場をお待ちしています。