9月25日に台湾文化センターで開催された同シリーズ映像のメディア発表会に出席した台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表は、「2018年の統計によると、海外修学旅行に出かける日本の高校生は16万8000人余りで、そのうち3分の1の約5万7000人が台湾へ行っており、渡航先のトップとなっている。しかしながら、日本の小中学校の教科書で台湾の歴史を紹介する内容は少なく、修学旅行が一般的な観光や夜市散策になっていることが多い」と指摘した。
修学旅行の文化交流の効果を高めるため、台湾文化センターは台湾の代表的な博物館を紹介する映像を10本制作し、9月25日より毎週1本ずつ順次公開する。これに先立ち、同メディア発表会では国立台湾博物館、国立故宮博物院、国家人権博物館の3本の映像を上映した。
上映後に謝・駐日代表は、「国家人権博物館の映像は印象的だった。あの法廷は当時、美麗島事件の際に私が弁護を務めた場所だった。見学に来る日本人も多いと聞いており、台湾が人権を勝ち取る歴史を世界と分かち合いたい」と感想を述べた。
日本の小中学校や高校の教科書で台湾の歴史を紹介する内容は極めて少なく、修学旅行で台湾へ渡航する日本の生徒、さらには教師までもが台湾に対する基礎知識が不足しており、修学旅行のルートが物見遊山で終わってしまうことが多く、文化施設や博物館の見学の重要性が軽視されてきた。そこで、より多くの日本の生徒たちに台湾の博物館を知ってもらい、台湾の歴史や文化への理解を深めてもらうため、台湾文化センターは同シリーズの映像を制作した。
本シリーズの映像作品は、台湾の代表的な博物館が保有する紹介ビデオに日本語の字幕を付け、SNET台湾の赤松美和子(大妻女子大学准教授)、山崎直也(帝京大学教授)、洪郁如(一橋大学教授)の3名の台湾研究者らにより専門的な解説を加え、台湾の代表的な博物館を紹介している。今後SNET台湾が日本の高校生の台湾修学旅行に関する事前学習教材として活用する。
SNET台湾は今回の企画について、日本の若者に良質な台湾学習教材を提供することが一貫した不変の目標である。新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの学校が台湾への修学旅行を中止しているが、このタイミングで「おうちで楽しもう 台湾の博物館」シリーズの映像を公開することにより、台湾に行けず気分が晴れない日本の方々に台湾へとつながる「どこでもドア」を提供し、家にいながらにして台湾のさまざまな博物館を訪ね、台湾文化への理解を深めてもらいたい。新型コロナの感染状況が落ち着いた後、実際に台湾のこれらの博物館を見学すれば、必ずより深い感動が得られるに違いないと強調した。
同シリーズ映像は、国立台湾博物館、国立故宮博物院、国立人権博物館、国立中正紀念堂、国立台湾史前文化博物館、国立台湾文学館、二二八国家紀念館、順益台湾原住民博物館、衛武営国家芸術文化センター、国立台湾歴史博物館など10カ所の博物館を紹介する。日本の方々にこれらの映像を通して台湾の歴史・文化に対する認識を深めてもらい、新型コロナの感染が落ち着いた後に台湾を旅行する際、台湾の各博物館をコースに組み入れ、多様な台湾の姿を実際に体験していただけるよう期待している。
台北駐日経済文化代表処台湾文化センターYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/playlist?list=PLZ0tRl9np7RvzmSY2UVH8dqURXpx4vVRHSNET台湾YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCmtfk9gkQH-hiqUvXKDF4kQ