東京都千代田区のイイノホールで１月１５日、台湾文化部とよみうりカルチャー（読売・日本テレビ文化センター）の共催で、台湾の全盲ピアニストである黄裕翔（ホアン・ユィシアン）さんが主演する映画『光にふれる』（原題：逆光飛翔）の試写会および黄裕翔さんによるピアノ演奏が行われた。同日は、沈斯淳・台北駐日経済文化代表処代表も会場に駆けつけ、鑑賞し、黄裕翔さんを激励した。
生まれつき目が見えない黄裕翔さんは、４歳よりピアノを始め、国立台湾芸術大学（台湾芸大）ピアノ科を卒業後、数々のコンクールで優勝し、２００７年には台湾国家管弦楽団との共演を果たし、日本では２０１１年に東日本大震災復興支援チャリティピアノソロリサイタルを東京で開催。昨年１２月にも東日本大震災の被災地を巡るコンサートを行うなど、台日交流にも励んでいる。
張栄吉（チャン・ロンジー）監督による映画『光にふれる』は、黄裕翔さんが台湾芸大に初めて視覚障害のあるピアノ専攻学生として入学したときから、障害を乗り越えて夢に向かって羽ばたいていく姿を描いた実話に基づくストーリーで、黄裕翔さんがみずから主人公役を演じている。
同映画では、黄裕翔さんが劇中の音楽も担当し、やさしく美しいピアノの旋律が観客をなごませた。当日、会場では、黄裕翔さんが作曲した同映画の主題歌を含むピアノ組曲の演奏が披露され、大きな拍手に包まれた。
試写会の後、黄裕翔さんおよび劇中でルームメイト朱自清役を演じる閃亮さんがステージで挨拶した。黄裕翔さんは、「実際にあったことはわりと自然に演技できたが、フィクションの部分を自然に演じるのが難しかった。この映画は若者たちが自分の夢を追いかけて、あきらめずに生きていく姿を描いた映画なので、日本の多くの方にぜひ見ていただきたい」と述べた。閃亮さんは、和気あいあいと映画撮影が進められたことを話し、「この映画を見ないと一生後悔しますよ」と明るく呼びかけた。
映画『光にふれる』は、２０１４年２月８日（土）より、東京の「ヒューマントラスト有楽町」、「シネマート新宿」ほか全国公開される。
映画『光にふれる』公式サイト
http://hikari-fureru.jp/