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台湾人作家游文富さんの北アルプス国際芸術祭での作品「竹の波」、日本の月刊誌の表紙飾る

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 3年ごとに開催される北アルプス国際芸術祭が13日に開幕した。日本内外のアーティストが長野県大町市に現地の自然や風土を生かしたアート作品を設置し、11月14日まで展示するというイベントだ。今年は総合ディレクターを務める北川フラムさんが掲げる「水・木・土・空~土地は気配であり、透明度であり、重さなのだ~」をコンセプトとして、11か国・地域から38組のアーティストが作品を展示している。

sub1 台湾文化部台湾文化センターは今年、北アルプス国際芸術祭と協力して台湾からアーティストの游文富さんを招いた。游文富さんは地元の人々の協力を得て作った作品『竹の波』を展示。その作品写真がこのほど、日本の月刊誌『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』の表紙を飾った。台湾の芸術作品の写真が日本の雑誌の表紙を飾るのは近年まれなことで、台湾のアーティストを日本の国際芸術祭に参加させてきた駐日台湾文化センターの取り組みの大きな成果と言える。また、日本の各分野の人々に台湾の芸術作品の特徴を認識させることに成功し、日本の芸術祭が世界に台湾を知ってもらうための重要な手段となっていることを意味する。


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 13日に行われた北アルプス国際芸術祭の開幕式には、長野県の関昇一郎副知事、大町市の牛越徹市長、総合ディレクターの北川フラムさん、それに出品者として游文富さんなどが出席した。

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 游文富さんの作品『竹の波』は、大町市にある八坂公民館を竹細工でぐるりと取り囲むインスタレーション。地元に住む人々の協力を得て竹を伐採し、600本の竹ひごを作って骨組みを作った。竹を織り込んで作ったシート約600枚は游文富さんが台湾から持ち込んだもので、南投県竹山鎮の住民の協力を得た。使用した竹ひごをすべてつなげると約120キロメートルの長さになるという。これらで八坂公民館を取り囲むことで、竹と風と地元の人々の緊密な関係を表現したという。

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 游文富さんは、「今回の展示を通して、台湾と日本の文化交流の素晴らしさに深い感銘を受けた。まずは地元の住民やボランティアたちと山に入り、一緒に竹を伐採した。それから1か月間にわたって現地で作品作りに取り組んだ。晴れの日も雨の日も一緒になって一つの大きな作品を作り上げた。その過程は大変なものだったが、その分、喜びや幸福感もひとしおだった。自分を招待してくれた北川フラムさんと、大町市の支援に感謝する。北アルプス国際芸術祭で作品を作ることができて大変光栄だ」と感謝の言葉を伝えた。

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 駐日台湾文化センターは今年、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟県)、「北アルプス国際芸術祭」、「六本木アートナイト」、それに森美術館など、日本を代表するさまざまなアートイベントに参加。台湾からアーティスト11組を送り込んでおり、台湾の芸術にとって日本での「大豊作」の一年と言える。文化部は今後もこれを基礎として、引き続き日本の芸術祭主催者と連携し、台湾人アーティストを日本へ送り込みたい考えだ。