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宋隆泉「台湾の自由風景-シャッターに収めた真実の記録」写真展(5/15-6/14)

写真展招待状 表

 このたび、約40年にわたって台湾の民主化の歩みや伝統文化、人物を撮影し続けてきた台湾写真家、宋隆泉(そう・りゅうせん)写真展「台湾の自由風景-シャッターに収めた真実の記録」が、代表処の協力で、5月15日から6月14日まで当センターで開催されることになりました。


    今回展示される写真のテーマは民主行動(228和平記念日の全島デモ行進、戒厳令の解除、台湾第四原子力発電所の廃止、行動する思想家・鄭南榕、国会選挙など)や大地の歌(歌仔劇の物語、故郷の記憶南方澳、労働者の顔、郷土の情景写真など)となります。


    開幕初日5月15日(水曜)14時から、写真家宋隆泉が来日し、台湾文化センターで開幕式を行います。今回展示されている写真についての解説も予定されております。


ご興味がある方はぜひご来場ください。


写真展招待状 裏


   宋隆泉は、台湾の民主化運動を記録してきた写真家です。雑誌『噶瑪蘭』や『新潮流』、『自由時代』といった、台湾のかつての党外(いわゆる国民党に批判的な勢力)の出版物の撮影記者を務め、台湾の人々が、民主、自由を勝ち取る一瞬一瞬をカメラで写し取り、記録すべき台湾の歴史的場面を残しています。



   宋隆泉の若いころに美麗島事件(反体制運動弾圧事件)がありました。宋隆泉は幼いころから、戒厳令下の党外雑誌を好んで読んでいましたが、こうした雑誌のイラストはイマイチで、素晴らしい映像記録もないと感じていました。しかも、表紙は多くが手書きだったため、宋隆泉は、党外に映像で記録を残す人がいないのなら、自分がやろうと考えたのです。そして、美麗島事件後、宋隆泉は、撮影技術を磨くことを決意。党外雑誌のために撮影することになりました。



    その頃から、宋隆泉はカメラで台湾を記録していくことを志し、荷物を背負って、台湾の隅々まで訪ねまわりました。こうした旅について、宋隆泉は、自分にとってとても重要な郷土意識を啓蒙するものだったと振り返ります。台湾をきちんと撮影するには、台湾がどのような姿なのかを自ら理解しなければなりません。そのために記録者・報道者の道に進みました。



    29歳の時、雑誌『噶瑪蘭』の仕事に就き、党外運動に身を投じます。社会運動が行われているところがあれば、そこに出掛けていき、数年にわたって、数多くの悲惨な出来事を写し出してきました。その後、民主活動家の鄭南榕の創刊した雑誌『自由時代』に招かれ、撮影編集と美術指導を担当します。



   宋隆泉の写真は全て、台湾人が民主、自由、人権を勝ち取り、独裁政治に恐れず立ち向かった姿を写し出したものです。宋隆泉は、当時の台湾社会の脈動を忠実に記録し、カメラに収めてきました。宋隆泉が全過程に関わって残してきた写真はまた、勇敢な台湾人が生命を懸けて戦った社会運動を後世に残す最大の証しでもあります。



  宋隆泉は以前、次のように話しています。「記憶は失われるが、きちんと保存された映像は、常に人々の思い出を呼び起こすことができる」。宋隆泉は写真展を通して、民主は台湾人が戦い、苦しみに耐え抜いて獲得したものであり、決して天から降ってきたように、簡単に手にできたものではないということを伝えていきたいと考えています。