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【閲読台湾】馬馬虎虎(マーマーフーフー) vol.1 気づけば台湾

長野本と茶 NABO

おすすめの一冊



檀上 遼 発行・編集・デザイン・写真・文


 日本人と台湾人のハーフである著者、檀上遼が、2012年から13年の1年間、語学留学のため滞在した台湾で感じ考えたことをまとめた本。書かれていることはその1年間のことだけにとどまらず、幼い頃訪れた中国の思い出や、実家に漂う日本と台湾ふたつの文化のことなど著者自身の体験のなかにある中華圏のことにも視点がめぐる。
 台湾大学の様子、夜市でのこと、不思議なマクドナルド、台湾のサウナ、ひとつひとつのエピソードの内容が非常に濃いので飽きることなく読み切れるし、「一人暮らし用の物件でキッチン付きというのは非常に少ない」ということや、ゴミ出しのルールなど、旅行者ではなく滞在者でないと見えてこない台湾の姿もたくさん盛り込まれていて楽しい。
 ただ目で見たものを書いて「おもしろいな〜」で済ませることはせず、ものごとの背後にどのような歴史・文化があるのかもきちんと調べて書いてくれているので、「何となく」台湾が好き、という気持ちから一歩先に進みたいひとにとてもおすすめの1冊です。