台湾版『おくりびと』!
台湾の葬儀を題材に、人生の最終章で繰り広げられる感動的な物語をリアルに描写した作品。
夢を追うために大学をやめ、家を出た林初生。だが、とある死者との出会いをきっかけに、葬儀師となり……
「息子を、お願いします……」
腐敗した遺体を見つめる老いた父親の目に浮かぶ悲しみと無念。仕事を始めて間もなく、死はいつ訪れるか分からないということを初生は悟る。
「墓だけは兄弟の運勢が上がる場所にしてほしいい」
当事者の死後も、親族の利害関係やしがらみはなくならない。
「だから、もう治療したくないんだって」
自らの死期を悟った人間が選んだ死に方は、周りの人々に受け入れられるのか?
葬儀には、様々な人間の人生が縮図になって表れる。龍角の笛が鳴り響く中、弔いの儀式が始まり、口に出せなかった言葉、心の奥底の思いが溢れ出す。自分が今持っている権利を大切にしよう──初生はそう決意する。
《送葬協奏曲》© 韋蘺若明/蓋亞文化