今日はどちらの苔になさいますか?
都市の片隅にある小さな小さなカフェ。店内には奇妙な形のコケ盆栽があふれ、外見は雨傘のようでも、蝋燭台のようでも、真珠のようにも見える。「コケカフェ」は人とコケとが遭遇する物語で満ちており、一人ひとりの客が違った経歴を持つように、それぞれのコケたちにも独特な宇宙がある。
「猫のコケ」
子猫を拾った少女は、オーナーから猫に似ている白髪の苔との思い出話を聞く。
「傘の下での距離」
小さな小さな「ゼニゴケ」は、ゼニゴケ同士が出合って結ばれるまでの過程がまるで叙事詩のように複雑で、盆栽という小さな世界の中で、愛のパスワードを解く。
「異苔同岑」
人と人との距離感が最も難しい。友情はまるでコケの容器のように、近過ぎると息が詰まりそうになる…。
さまざまな人々が各々の物語を持ってカフェを訪れ、チャーミングなコケとの出合いによって、さらなる新しいストーリーが生まれていく。心温まる短編で、毎日癒されよう!
《青苔咖啡店》©海豹