台北駐日経済文化代表処台湾文化センター発行、太台本屋 tai-tai books企画による「TAIWAN BOOKS 台灣好書」は、日本の皆さんにもっと台湾の本に触れていただきたいと願い、日本語で読める台湾作品の中から、特におすすめできる作品をピックアップしてご紹介しています。
「台湾大好きだけど、台湾作家の本は読んだことない。これから少し読んでみたい」「本を読むのは好きで、今まで読んだことない台湾の本を読んでみたい」「『歩道橋の魔術師』を読んで面白かったけど、次に何を読んだらいいかわからない」……と思っているみなさんのガイドとなれば幸いです。
『台湾の味わい』(仮題)(焦桐、川浩二訳、みすず書房)
担仔麵、葱抓餅、肉圓、蚵仔煎、肉臊飯、貢丸湯、豆花……。台湾を訪れる旅行者にとって大きな楽しみのひとつである「食」。親しみやすく美味なそれらの食べものは、台湾の土地の文化や歴史をおおいにその内に含みこんでいる。
本書は、詩人であり、長年にわたり台湾の飲食文化を探求してきた作家・焦桐によるエッセイ集。台湾に根づいた食べものを、その味わいや由来から紹介するのはもとより、「食」と離れがたく結びついた著者の家族との思い出や過去の記憶を重ねながら、滋味深い文章で綴る。
読めば、台湾の食文化をうかがい知ることができるのはもちろん、そこに横溢する台湾ならではの情緒をも噛みしめることだろう。台湾飲食文学の代表作を日本語版独自の構成で刊行。50篇あまりを収録。挿画は陳妮均。
著 焦桐
Jiao Tong
訳 川浩二
みすず書房
2021年 刊行予定
書影は原書のもの 提供:二魚文化