台北駐日経済文化代表処台湾文化センター発行、太台本屋 tai-tai books企画による「TAIWAN BOOKS 台灣好書」は、日本の皆さんにもっと台湾の本に触れていただきたいと願い、日本語で読める台湾作品の中から、特におすすめできる作品をピックアップしてご紹介しています。
「台湾大好きだけど、台湾作家の本は読んだことない。これから少し読んでみたい」「本を読むのは好きで、今まで読んだことない台湾の本を読んでみたい」「『歩道橋の魔術師』を読んで面白かったけど、次に何を読んだらいいかわからない」……と思っているみなさんのガイドとなれば幸いです。
『妖怪台湾地図』(仮題)(何敬堯、原書房)
台湾にも独自の「妖怪」がいるのをご存じだろうか? 本書は、台湾に妖怪ブームを巻き起こした作家兼妖怪研究家の何敬堯が、台湾全島の“あやかしスポット”を自ら巡り、紹介する作品。
魔神仔(モシナ)、虎姑婆(虎ばあさん)、林投姐(パンダナス樹の女幽霊)など、台湾ではおなじみの妖怪伝説に関係する場所や、地元民の間で長らく語り伝えられているローカル怪談奇談の現場などを、現地で撮影した豊富な写真や、人気イラストレーター小G瑋のイラストと共に紹介している。
著者が「本書の特徴は“旅行”と“研究”の融合である」と述べるとおり、単なる観光地巡りには満足できなくなった台湾ディープトラベラーには、ちょっと変わったテーマ旅行の指南書としても有用だ。もちろん現地に行けなくても、読み物として十分楽しめる。
文 何敬堯
Ho Ching-yao
イラスト 小G瑋
想方子工作室
原書房
2021年 刊行予定
書影は原書のもの 提供:聯經出版