台北駐日経済文化代表処台湾文化センター発行、太台本屋 tai-tai books企画による「TAIWAN BOOKS 台灣好書」は、日本の皆さんにもっと台湾の本に触れていただきたいと願い、日本語で読める台湾作品の中から、特におすすめできる作品をピックアップしてご紹介しています。
「台湾大好きだけど、台湾作家の本は読んだことない。これから少し読んでみたい」「本を読むのは好きで、今まで読んだことない台湾の本を読んでみたい」「『歩道橋の魔術師』を読んで面白かったけど、次に何を読んだらいいかわからない」……と思っているみなさんのガイドとなれば幸いです。
『無家者』(仮題)(李玟萱、橋本恭子訳、白水社)
行政システムなどの先進性が注目されている台湾だが、もちろん社会的課題が何ひとつないユートピアではない。
日本と同様、またはそれ以上に経済的、社会的格差が拡大している。本書は台湾の街かどに生きる10人のホームレスと、彼らを援助する5人のケースワーカーにインタビューしたルポ。平凡な、あるいは波乱万丈な人生を送っていた彼らは、なぜ「家無き者」になったのか?
台北有数の貧困地区、萬華でホームレス問題の解決に取り組む台湾芒草心慈善協会の企画のもと、20年来、社会的弱者へのサポートを続けてきた著名な作詞家・作家である著者が、被取材者ひとりひとりの物語を聞き出すと同時に、行政および民間による貧困支援のあるべき姿を伝える。
2018年台北国際ブックフェア大賞ノンフィクション部門最優秀賞、2017年金鼎賞図書類個人賞図書編集賞受賞。
著 李玟萱
Shine Lee
訳 橋本恭子
白水社
2021年春 刊行予定
書影は原書のもの 提供:游擊文化