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【シンポジウム】“伝統の創造”の視点から見る祭り ―日台政策研究所設立記念シンポジウム―

「祭り」といえば、日本では神社のもの、台湾でも廟に関連したものとして、伝統的に共同体と密接に関連しています。しかし、山形市の「花笠まつり」、金沢市の「湯涌ぼんぼり祭り」は、伝統的な祭りのような様相を見せてはいますが、実は近年の創作です。共同体の外から新たに創造された祭りは、祭りや観光誘客の一つの方向性を示していると言えます。

「伝統の創造」とは歴史学者ホブズボームが作った概念であり、彼は近代民族による民族性の創造を否定的に指摘しています。しかし、ここでは「伝統の創造」の肯定的側面に着目し、日本および台湾の地方同士の交流が活発化する今、新たな祭りを創造することで、互いの誘客につながる可能性について考えたいと思います。 

日時:23日(土)1330受付 / 14:00シンポジウム/1700交流パーティー(無料) 

会場:台湾文化センター  

申し込み:FAXよりお申込み下さい。 FAX:03-6206-6190

基調講演

松尾剛次 Matsuo Kenji

日台政策研究所理事長。山形大学人文社会科学部教授。山形大学都市・地域学研究所所長。東京大学文学部国史学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程修了。専門は日本宗教史、中世都市論、戦国大名論など。また山形県大石田町の町づくりアドバイザーを務める。著書は『新版 鎌倉新仏教の成立』(吉川弘文館1998)、『仏教入門』(岩波書店1999)、『破戒と男色の仏教史』(平凡社2008)、『葬式仏教の誕生』(平凡社、2011)ほか多数。

 

基調講演・パネリスト

林茂賢 Lin, Mao-Hsien

1960年台湾・宜蘭縣羅東鎮生まれ。中國文化大学哲学修士。フランス・パリ第七大学民族学博士課程に留学。現在国立台中教育大学台湾語文学系副教授。台湾・文化部無形文化資産審議委員。著書は『台灣民俗記事』、『台灣傳統戲曲』、『台灣民俗采風』第一~三輯など。

 

パネリスト

林承緯 Lin, Cheng-Wei

国立台北芸術大学副教授。日本民俗学会国際交流特別委員会委員。専門は民俗学。台湾や日本などでフィールドワークを通して、祭礼、生活技術、民俗文化財について調査研究を進めている。また、現代民俗学の理論構築と方法論の研究にも並行して取り組んでいる。著書は『日本の祭 魂と美の再発見』、『宗教造形と民俗伝承』など。

 

パネリスト

山下新一郎 Yamashita Shinichirou

湯涌温泉「秀峰閣」専務取締役。湯涌ぼんぼり祭り実行委員会会長。前湯涌温泉観光協会会長。1991年、家業である旅館「秀峰閣」に入る。以後、宿の板場に立ちつつ、地元観光協会で地域の魅力創出、再興に尽力し、青年部長、副会長、会長を歴任する。2011年、アニメ「花咲くいろは」をきっかけに、湯涌ぼんぼり祭りを企画、創設し、実行委員会会長として今に至る。

 

パネリスト

設楽健也 Shitara Kenya

山形県花笠協議会事務局次長。山形商工会議所理事。1977年入所。1993年、花笠協議会の事務局が山形新聞社から山形商工会議所へ移行した時より関わる。2006年に担当課長を務め、部長を経て現在に至る。また、郊外大型店の続出に伴う中心市街地の空洞化を危惧し、1999年に山形市中心部を循環する100円循環バスの設立に携わる等、多方面において尽力している。

 

モデレーター

酒井亨 Sakai Tohru

金沢学院大学准教授。政治学(台湾現代政治)、地域学(アニメと祭りの地域振興)。早稲田大学政治経済学部政治学科、台湾・国立台湾大学法学研究科修士課程修了(法学修士)。主な研究テーマは台湾現代政治であるが、日本のアニメの影響力に注目。アニメの舞台地となった各地の地域振興の現状についてフィールドワークするほか、それに関係する祭りについても研究している。20184月からは公立小松大学に准教授として移籍予定。