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【講座】台湾カルチャーミーティング2019年第2回目イベント--セクシュアル・マイノリティを書くということ:台湾文学と日本文学の対話--陳雪さんと松浦理英子さんの台日作家対談

『悪女の書』『橋の上の子ども』など、レズビアンをはじめとするセクシュアル・マイノリティが登場する小説を執筆し、自らも同性婚をしている台湾作家・陳雪さん。
『ナチュラル・ウーマン』『親指Pの修業時代』など、女性の身体性や性の多様な在り方を一貫して追求してきた日本作家・松浦理英子さん。
セクシュアル・マイノリティを文学のテーマとして扱う、台湾文学と日本文学の第一線で活躍している作家による豪華対談イベント、開催します!

2019年5月24日、台湾では同性婚法案が可決され、アジアで初めて同性婚が可能な国になりました。また女性総統が選出されるなど、男女平等が進んでいることも知られています。

台湾には1980年代から「同志文学」(セクシュアル・マイノリティ文学)と呼ばれる文学のジャンルがあり、白先勇や邱妙津など多くの作家が作品を手がけてきました。1990年代以降、女性解放運動やセクシュアル・マイノリティ権利向上運動が台頭する中、「同志文学」の隆盛もそれらの運動の活性化に一役買っていました。人権と平等の価値が重んじられる今日においても、「同志文学」は更に多彩な様相を呈しています。

一方、日本にも古くからセクシュアル・マイノリティが登場する文学作品が存在します。吉屋信子、三島由紀夫、吉田修一、中山可穂など、多くの作家が個性的な作品を展開しています。政治や社会運動といったマクロな環境とはある程度距離を置きながら、小説を通して人間認識の深化が追求されてきました。

セクシュアル・マイノリティを書くこととはどういうことか? そこに託された思いは?
創作者としてあるべき姿勢は? 文学と社会の理想的な関係性は? 日台の有名作家によるとても貴重な対談です。皆さまのご参加をお待ちしております。

日時:9月13日(金)18:30~20:30
会場:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター(東京メトロ虎ノ門駅より徒歩1分)
定員:80名(入場無料、予約制。30分前開場、自由席)
ゲスト:陳雪(作家)、松浦理英子(作家)
司会:李琴峰(作家・日中翻訳家)
※会場での撮影・録音は、固くお断りしております。

◯ゲストプロフィール
陳雪(ちん・せつ/チェン・シュエ)
作家。1970年台湾・台中生まれ。国立中央大学中国文学科卒。最初の作品集『悪女の書』(1995年)は夜市で服の販売をするかたわら創作されたもので、クィア小説として注目を集めた。主な著書に長編小説『悪魔の娘』『橋の上の子ども』、短編集『悪女の書』、エッセイ『私のようなレズビアン』などがある。短編「蝴蝶の記号」は2004年に映画化。邦訳があるものは、「天使が失くした翼をさがして」(『新郎新“夫”』作品社、2009年に収録)、『橋の上の子ども』(現代企画室、2011年)である。

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松浦理英子(まつうら・りえこ)
作家。1958年愛媛県生まれ。青山学院大学文学部卒業。1978年「葬儀の日」で第47回文學界新人賞を受賞しデビュー。1994年『親指Pの修業時代』で女流文学賞、2008年『犬身』で読売文学賞、2017年『最愛の子ども』で泉鏡花文学賞を受賞。連作短編『ナチュラル・ウーマン』は2度にわたり映画化。他の著作に『セバスチャン』『奇貨』などがある。

<作品紹介>
『橋の上の子ども』は、陳雪の自伝的小説。レズビアンのヒロインは、幼いころから辛酸をなめ尽くすような人生を送ってきた。家出した母に代わって兄弟の面倒を見たり、夜逃げしたりすることもあった。内面を深く傷つける出来事も起きた過去から逃げることばかり考えていた彼女は、やがて、書くという行為を通して、空白の過去の記憶を取り戻し、自らのアイデンティティの根源にたどり着こうとする。

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◯司会プロフィール
李琴峰(り・ことみ)
作家、日中翻訳家。1989年台湾生まれ。2013年来日、早稲田大学大学院修士課程修了。2017年、『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、作家デビュー。2019年、『五つ数えれば三日月が』で第161回芥川龍之介賞候補。