織物アートにおけるマテリアルの移り変わりは、近代化のプロセスを交えて捉えることができる。西洋と台湾の近代化の過程を照らし合わせてみると、西洋は産業革命以来、啓蒙思想と技術革新によってもたらされた社会変動を経て、独自の近代化のプロセスを生み出した。一方で、当時の台湾が西洋文明を取り入れようとした際、西洋の近代性に対し遅れと分断が生じた。そうした台湾の織物マテリアルを取り囲む歴史は、現代織物アートの創作の過程から垣間見ることができる。
今日の織物アートが描き出しているのは、正に芸術のメカニズムの歴史であり、また、ある種の現代アートのメカニズムの表れでもある。大きなトレンドの中で互いに関わり合い、織物アートを巡る討論は創作メカニズムの相違性を超越したフェーズに到達する。織物はマテリアル、素材、織る人、編織を意味し、織物全体の文化を網羅した具体的な名詞である。そして、アートはあらゆる対話を展開する方法に他ならない。
織物工芸の援用は、アーティスト、工芸家とデザイナーが視覚的効果を考察するとともに、互いに繋がりあう知識体系の意義を見る者に問いかける。
開催日:2017年10月6日(金) 〜 15日(日) 会期中無休
開催時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで) ※初日の10月6日(金)のみ、開場時間は14:00 ※最終日の10月15日(日)は17:00(入場は16:30)まで
会場:金沢21世紀美術館
金沢駅より路線バス「広坂・21世紀美術館」または「香林坊(アトリオ前)」下車。金沢駅よりまちバス「金沢21世紀美術館・兼六園(真弓坂口)」下車。金沢駅より城下まち金沢周遊バス「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」下車。金沢駅より兼六園シャトル「広坂・21世紀美術館」で下車