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「台湾ウィーク」映画上映・先住民族や客家の歌手によるコンサート開催、連日の大盛況

「台湾ウィーク」映画上映・先住民族や客家の歌手によるコンサート開催、連日の大盛況



「orzボーイズ」上映会




「KANO 1931海の向こうの甲子園」の上映後、あいさつする当時の嘉義農林のエース、呉明捷さんの次男、堀川盛邦さん




 台北駐日経済文化代表処「台湾文化センター」が東京・虎ノ門に拠点を移し、6月12日に開館した。これを記念したイベント「台湾ウィーク -台湾音像-」が同センターで開催され、一般公開となった13日からは、台湾人形劇(布袋戯)の「台原偶戯団」の上演、「采風楽坊」、「フォルモサ淡水走唱民謡団」、「心心南管楽坊」らの演奏が次々と披露されたほか、同センターで開催されている写真展関連のトークライブも行われた。


 6月16日には台湾映画「orzボーイズ」が上映され、日本人のみならず、日本在住の台湾出身の人たちも数多く訪れた。17日には台湾映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」が上映された。この映画は台湾の嘉義農林学校の弱小野球チームが日本人監督の指導により実力をつけ、1931年に甲子園初出場し、準優勝した実話を描いた映画で、上映会の会場は200名近い人が訪れた。映画終了後には、この映画でアキラ役として登場したエースピッチャー呉明捷さんの次男、堀川盛邦さんがあいさつし、「この映画をきっかけにぜひ嘉義を訪れてほしい」とアピールした。堀川さんもこの映画の中では、嘉義市長役で出演した。


 17日の映画上映会の後には、来日したエスニックの歌手によるコンサートが開かれ、タイヤル(泰雅)族出身の雲力思(Inka Mbing)、客家出身の羅思容(Lo Sirong)、台東のプユマ(卑南)族出身の桑布依(Sangpuy)が登場した。3名はいずれも台湾のグラミーショーと称される「金曲賞」を受賞したことのある、実力派の歌手である。


 雲力思は、自身が生まれ育った故郷の姿や祖先から受け継がれてきたものを大切にしていこうとする意思を歌に託して表現した。羅思容も客家で歌いつがれてきた子守唄や山歌など抒情的な旋律の歌を客家語で披露した。プユマ族の民族衣装で登場した桑布依は、祖先から代々歌い継がれてきた歌や自作の曲を、台湾で1000年以上もの歴史のある鼻笛の演奏も交えて披露し、「プユマ族の音楽を東京でお聞かせできて嬉しい」と感想を語った。桑布依の澄んだ歌声は、聞くと同時に時空を超えて深山幽谷にいるような思いになる魅力を持っている。全員が登場したステージでは観客との掛け合いなどもあり、「台湾ウィーク」の最後を飾る、楽しいステージとなった。


 



タイヤル(泰雅)族出身の雲力思(Inka Mbing)




客家出身の羅思容(Lo Sirong)



台東のプユマ(卑南)族出身の桑布依(Sangpuy)



最後に全員で合唱