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台湾ウィーク開催レポート:「台湾ウィーク」で南管の演奏と台湾写真家によるトークライブが開催

「台湾ウィーク」で南管の演奏と台湾写真家によるトークライブが開催


心心南管楽坊による演奏


右1:薩摩琵琶の若佐鶴丈氏、右2:心心南管楽坊の王心心氏
右3:朱文清・台北駐日経済文化代表処顧問兼台湾文化センター長

 

 東京・虎ノ門の台北駐日経済文化代表処「台湾文化センター」の開館イベントとして、「台湾ウィーク -台湾音像-」が6月13日から6月17日まで開催されている。

 14日のイベントでは、台湾人形劇(布袋戯)の「台原偶戯団」と台湾民謡グループ「フォルモサ淡水走唱民謡団」が13日に引き続き上演したほか、王心心氏による南管の楽団である「心心南管楽坊」の演奏が披露された。

 「心心南管楽坊」は、王心心氏により創設された楽団で、王氏自らチーフディレクターを務め、伝統楽器の南管琵琶を演奏しながら歌う。南管は、福建省南部をルーツとする弦楽器を主体とする優雅な室内楽で、今回の「台湾ウィーク」では、薩摩琵琶の岩佐鶴丈氏とのセッションを行い、台湾と日本の琵琶の音色や奏法の違いを実演を交えながら紹介された。

 15日は、前日に続き「心心南管楽坊」の演奏が披露された後、台北駐日経済文化代表処「台湾文化センター」で6月13日から8月12日まで開催されている写真展「古い写真を通して台湾を知る -台湾の懐かしい風景と人々の生活 1930s~1970s-」の記念トークライブが開催された。

 同トークライブでは、キュレーターを簡永彬氏が務め、パネリストとして同写真展に出品している張照堂氏、台湾写真家・鄧南光氏の子息である鄧世光氏、在日台湾写真家の黄金樹氏、写真評論家の金子隆一氏および飯沢耕太郎氏らが出席した。

 キュレーターの簡氏から、台湾の写真技術や撮影手法の発展の歴史が紹介され、台湾の写真家と日本との深いつながりや、戦後に中国大陸から入ってきた撮影術、台湾の社会情勢が写真家に与えた影響などが解説された。

 パネリストらは、実際の当時の写真作品を例示しながら、中国大陸の影響を受けた山水画ような美しさを目指すサロン写真と、台湾の庶民生活をありのままに写そうとするリアリズム写真との対抗意識などを経て、国際撮影コンクールなどを通して日本の流行の影響も受けながらも、台湾独自に進化してきた写真美学について語った。


写真展「古い写真を通して台湾を知る」トークライブ
右より、簡永彬氏、張照堂氏、鄧世光氏、黄金樹氏、金子隆一氏、飯沢耕太郎氏


センター内で開催中の写真展「古い写真を通して台湾を知る」

《2015年6月16日》