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「おうちで楽しもう台湾の博物館」第8回 順益台湾原住民博物館

台北駐日経済文化代表処台湾文化センターとSNET台湾の共同企画「おうちで楽しもう台湾の博物館」では、コロナ禍による台湾ロスにお嘆きのみなさまに、台湾を代表する10の博物館が制作した魅力的な動画に解説と日本語字幕をつけて配信します。10の博物館が描き出す台湾像はそれぞれの彩りで、多様性に満ちた台湾文化の世界にみなさんを誘います。


「おうちで楽しもう台湾の博物館」第8回は順益台湾原住民博物館です。日本でも、先住民族アイヌの文化を復興・創造・発展する拠点として2020年7月にオープンしたウポポイ(民族共生象徴空間)が話題となっていますが、順益台湾原住民博物館は、付属島嶼を含む台湾島の先住民族文化を主題とする民間の博物館です。1994年に開館した同館の2千点を超える展示品の多くは、自動車の販売代理と製造を軸とする順益グループの創業者である林迺翁氏の子息で、当時同グループの副董事長(2003年から董事長)であった林清富氏の個人コレクションで、林迺翁の名を冠する林迺翁文教基金会が同館を運営しています。


遠い昔、卓越した航海技術で、台湾から東南アジア島嶼部、太平洋の島々、マダガスカルへと広がって行ったオーストロネシア語系の諸民族(台湾では南島語族と言う)は、台湾島の先住民族であり、現在16族が政府により認定されています。その人口は2019年度末で約57万人と、総人口のおよそ2%ほどですが、その文化は台湾の台湾たる所以として欠くことができないものです。


「原住民(族)」という呼称は、清朝、日本、中華民国と台湾の統治主体が移り変わるなか、常に他称で呼ばれ続けてきた彼ら彼女らが長年の運動によって獲得した自称であり、台湾では肯定的な響きを持っています。この「正名」(名を正す)を含む台湾原住民族運動については、「和解学の創成~正義ある和解を求めて~」プロジェクトの一環を成す『東アジア歴史紛争和解字典』の「台湾原住民運動」の項目(松岡格執筆)が簡潔に説明しています(http://www.prj-wakai.com/wakaidict/1404/)。


また、『マニアが作る旅行メディア TRIPS』では、「日本人スタッフが順益台湾原住民博物館の魅力を語り尽くす台湾」と題して、展示品の数々を写真入りで詳しく紹介しており、おすすめです。


「日本人スタッフが順益台湾原住民博物館の魅力を語り尽くす台湾」(『TRIPS』)

https://trip-s.world/shung-ye-museum


順益台湾原住民博物館(中国語・英語・日本語)

http://www.museum.org.tw/symm_jp/



#台湾文化 #順益台湾原住民博物館 #台湾原住民族