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森美術館「リー・ミンウェイとその関係展」が開幕

森美術館が主催し、中華民国(台湾)の文化部(文化省)が共催する「リー・ミンウェイとその関係展」が、9月20日に東京・六本木ヒルズ森タワーの森美術館で開幕した。同展は2015年1月4日まで開催される。


 「リー・ミンウェイとその関係展」は、台湾出身の芸術家でニューヨークを拠点に活躍しているリー・ミンウェイ(李明維)氏の20年にわたるプロジェクトを一挙に公開する大型回顧展であり、森美術館では初めての台湾人アーティストによる個展開催となった。


 リー・ミンウェイ氏は、「関係性」に注目した観客参加型の「リレーショナル・アート」で注目されてきたアーティストであり、「見る」だけでなく、「話す」、「贈る」、「書く」、「食べる」といったさまざまな方法で参加することで完成するアートとなっている。会場は主に「関係性、つながり、あいだについて考える」、「歩く、食べる、眠る―日々の営みを再考する」、「パーソナルな記憶から、歴史、文化、社会のつながりを考える」の3つのセクションから構成されており、参観者が持ち込んだ衣類を繕う、初めて会った人と食事を共にする、お花を見知らぬ人に手渡す、心の中の言葉を手紙に託すなどの観客参加型の作品が並んでいる。


 同展の一般公開に先立ち、9月19日にプレスおよび関係者内覧会が行われ、同日夜の開幕レセプションに出席した台北駐日経済文化代表処の沈斯淳・代表は、「台湾の傑出したアーティストであるリー・ミンウェイ氏の作品が森美術館で展示されることは非常に喜ばしいことである。リー氏の作品はきわめて独特であり、現代の忙しい生活の中で、人と人、人と物との『つながり』をもう一度考えさせようとしている」と挨拶し、同展覧会開催に尽力した関係者らに感謝の意を表した。


 リー・ミンウェイ氏は、「森美術館では7年前にグループ展の中で作品を出品したことがあり、ここで個展ができたらどんなに素晴らしいだろうと思っていた。それが今、実現して、こうして皆さんとお祝いすることができてうれしい。このような機会を与えてくださった森美術館に感謝している」と語り、参観者の参加によって変わり続ける作品であることを紹介した。


 森美術館の南條史生・館長は、「リー・ミンウェイ氏の作風は、人々との関係性を作り出していく、観客との関係を生み出していくものであり、どれも参加して楽しんでいただける作品ばかり」と述べ、同展へのより多くの人々の参加に期待を示した。