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書籍「侯孝賢と私の台湾ニューシネマ」(朱天文 著)4/1刊行


ホウ・シャオシェンとともに、『恋恋風塵』『悲情城市』など不朽の名作を創り上げてきた、
女流作家・脚本家の朱天文(チュー・ティエンウェン)が描く、台湾映画が最も輝いていたあの日々。
エドワード・ヤン撮影によるカバー写真ほか、貴重な秘蔵写真を初公開!
「侯孝賢と私の台湾ニューシネマ」書影_カバー+オビ
「侯孝賢と私の台湾ニューシネマ」書影_カバー+オビ



4/17(土)より開催の「台湾巨匠傑作選2021―侯孝賢監督デビュー40周年<ホウ・シャオシェン大特集>」に先立ち、4月1日に発売する関連書籍「侯孝賢と私の台湾ニューシネマ」(竹書房 刊)の詳細ならびに、本書に収録された著者個人が所蔵している貴重な写真が届きました。

『恋恋風塵』や『悲情城市』を世に送り出したホウ・シャオシェンの陰で、何十年にもわたり彼の創造を支えてきた一人の女性の存在があることは、どのくらいの人が知っているだろうか?
1983年の『風櫃<フンクイ>の少年』以来、2015年カンヌ国際映画祭監督賞受賞作『黒衣の刺客』まで、すべての作品の脚本を担当し、彼のすべてを知り尽くした女性、それが本書の著者、朱天文(チュー・ティエンウェン)である。学生時代から気鋭の作家として活動していた朱天文は、本書に描かれる通り、26歳の時にホウ監督と運命の出会いを果たし、映画の世界に引き込まれた。その後、ホウ監督作品の脚本家としてその才能を発揮してゆく。

もともと小説家、エッセイストとしても名高い彼女、脚本執筆のかたわら生身のホウ監督の姿をとらえた優れたエッセイを数多く発表してきた。この本は、そんなエッセイの中から特に、80年代台湾で起こった奇跡の映画ムーブメント”台湾ニューシネマ”の時代を、回顧ではなくまさにその当時、当事者の目線から描いた作品を中心に編んだエッセイ集である。題材は、ホウ監督を中心に、彼の友であり良きライバルでもあったエドワード・ヤンから、いまや世界的に知られる録音技師、ドゥ・ドゥージ(杜篤之)まで多岐にわたる。小津安二郎生誕百年記念作『珈琲時光』の製作後に行われたチューとホウ監督の対談も収められている。

また、チュー個人が所蔵している貴重な写真がふんだんに収録されているのも本書の見所のひとつだ。カバー写真は、エドワード・ヤンが撮影した、ホウ監督とチューがレトロな喫茶店で『冬冬<トントン>の夏休み』の脚本を練っている一コマ。ほかにも、『童年往事 時の流れ』撮影中のホウ監督の姿や、『悲情城市』の宣伝で来日した際の記者会見、世田谷の自宅での黒澤明監督とホウ監督のツーショット、果ては『台北ストーリー』(エドワード・ヤン監督、ホウ・シャオシェン主演)でホウが劇中で着る衣装を洋服店でセレクト中のヤンとホウのスナップなどなど、これまで誰も見たことがないような写真の数々。収録された全79点の写真の中から貴重な3点の写真をこのたび初公開!当時の息遣いを感じさせる文章と写真に誘われて、必ずまた侯孝賢の映画を観なおしたくなる!

「侯孝賢と私の台湾ニューシネマ」朱天文 著/ 樋口裕子 小坂史子 編・訳
4月1日発売 定価2,750円(税込)竹書房
著者 朱天文(チュー・ティエンウェン)プロフィール
台湾の作家・脚本家。1956年、高雄鳳山生まれ。16歳で初めて小説を発表し、淡江大学英文科在学中に三三書坊を創立して小説やエッセイを出版。26歳のときに侯孝賢と運命の出会いをしたことで映画の世界に。『風櫃の少年』(83年)『童年往事 時の流れ』(85年)、そしてヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した『悲情城市』(89年)からカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『黒衣の刺客』(2015年)まで、侯孝賢監督のほとんどの作品の脚本を務めている。2020年、台湾では有名な文学一家である自身の家族をテーマにしたドキュメンタリー『願未央』で映画監督デビュー。これまで日本で翻訳された小説に『世紀末の華やぎ』(紀伊國屋書店)『荒人手記』(国書刊行会)などがある。

協力:台湾文化センター