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【講座】台湾カルチャーミーティング2019年第1回目イベントーー台湾にもあった『ボヘミアン・ラプソディ』ー小説『惑郷の人』著者・郭強生さんを招いて

【講座】台湾カルチャーミーティング2019年第1回目イベントーー台湾にもあった『ボヘミアン・ラプソディ』ー小説『惑郷の人』著者・郭強生さんを招いて

小説『惑郷の人』著者・郭強生さんと、同書の翻訳者・西村正男さんをお招きするトークイベントを開催します。

『惑郷の人』は2012年に台湾で刊行し、日本でもあるむより2018年に翻訳出版されました。一つの未完の映画作品をめぐり、1973年、1984年、2007年という3つの時代を経ながら描き出される人間模様とミステリー仕立ての内容が高く評価され、台湾では数々の賞を受賞しています。いま世界で注目される台湾小説のクオリティと勢いがよく現れた作品であり、作品を通して語られる台湾社会の多元性や歴史の重層性が読みどころです。一方、ミステリーとしても楽しめる作品で、東山彰良『流』や呉明益『自転車泥棒』にも通じる部分もあります。様々なエスニシティやセクシュアリティが絡んだ人間関係は『ボヘミアン・ラプソディ』、台湾から日本に帰った湾生が登場する点は『湾生回家』も思い起こさせます。

故・天野健太郎氏らが手がけた台湾カルチャーミーティング2019年ラインアップの第一号としてふさわしい作品であり、「台湾や日本を含む東アジアの歴史、映画、音楽などが織りなす重厚な物語」(西村さん)を生み出したその作者ご本人に台湾社会の今を語ってもらうまたとないチャンスとして、皆さまの参加をお待ちしています。

日時:6月29日(土) 15:00~17:00
会場:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター(東京メトロ虎ノ門駅より徒歩1分)
定員:80名(入場無料、予約制。30分前開場、自由席)
ゲスト:郭強生(作家、台北教育大学教授)、西村正男(関西学院大学教授)
司会:赤松美和子(大妻女子大学准教授)
通訳:張文菁(早稲田大学研究員)

*ご予約の方は本ページ下の「参加申込」をクリックしてください。必要事項を記入のうえ、申込みいただくと、予約確認メールが自動返信されます(迷惑メールに分類される場合があります。事前に設定をご確認ください)。記入項目のCAPTCHAは「音声再生」の左の横文字を枠にご記入ください。CAPTCHAのエラーと時間切れの場合になりましたら、リロードしてもう一度ご記入ください。

◯ゲストプロフィール 

郭強生(かく・きょうせい)John Sheng Kuo
1964年生まれ。台湾大学外国文学科卒業、アメリカ・ニューヨーク大学で演劇学を専攻し博士号を取得。東華大学英米文学科教授を経て、現在、台北教育大学言語創作学科教授。小説作品に『夜行之子』『断代』など。本書『惑郷之人』と散文集『何不認真来悲傷』はともに金鼎賞受賞。

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西村正男(にしむら・まさお)
1969年生まれ。関西学院大学社会学部教授、博士(文学)。専門は中国語圏の文学及びメディア文化史。東京大学文学部卒業、同大学院博士課程修了。東京大学助手、徳島大学総合科学部専任講師、助教授等を経て現職。近年は中国語圏の流行音楽や映画について考察を進めており、訳書には『惑郷の人』の他、『白蟻の夢魔』(台湾熱帯文学4、共訳、人文書院)などがある。

西村正男.jpg

<作品紹介>
『惑郷の人』、原書「惑鄉之人」2012年出版(聯合文學)、邦訳2018年出版(あるむ)。その年、李香蘭が台湾公演に来た。その年、日本は戦争に負けた。その年、ブルース・リーがこの世を去った。その年、日本は経済大国になった。その年、彼らはみな17歳だった。中国東北地方出身の父と原住民の母の間に生まれた小羅、日系二世の映画研究者・健二、湾生(台湾生まれの日本人)の映画監督・松尾、そして霊魂となってさまよう台湾人日本兵・敏郎。1941、1973、1984、2007。映画『多情多恨』に導かれるように、70年の時空を往来して、4人の少年のもつれた記憶が解き明かされる。

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