台湾漫画夜市『歩道橋の魔術師』（小莊、新經典）

2011年に出版された『歩道橋の魔術師』は、台湾を代表する作家・吳明益による短編集で、取り壊された「中華商場」を舞台に、マジックリアリズムの手法で自身の幼い頃の話を描いたもの。

出版からこれまでに日本語、フランス語などの翻訳版が出されている。『歩道橋の魔術師 漫画版：小荘巻』では、原作短編の中から「九十九樓（99階）」、「強尼‧河流們（ギター弾きの恋）」、「唐先生的西裝店（唐さんの仕立て屋）」、「流光似水（光は流れる水のように）」を漫画化して収録。

中華商場の女子トイレの壁に描かれた不思議なエレベーターの絵には、実在しない99階まで昇れるという噂があった。

トムとマックは、幼い頃にいつもここで遊んでいた仲間。マックは父親が酒を飲んでDVをしている時、いつもトムのところに飛んで来る。ある時マックは一カ月近く姿を消したことがあったが、再び姿を現すと、エレベーターに乗って存在しないはずの99階に行き、透明人間になって中華商場をうろついていたのだとトムに告げる。

大人になった後、マックは妊娠した妻が突然行方不明になり、マックはとうとうエレベーターで自殺することを決め、最後のメッセージを残す。

「本当のことを話すと、99階と1階は何も違わない。」

《天橋上的魔術師圖像版﹔小莊卷》©小莊／新經典文化

2011年に出版された『歩道橋の魔術師』は、台湾を代表する作家・吳明益による短編集で、取り壊された「中華商場」を舞台に、マジックリアリズムの手法で自身の幼い頃の話を描いたもの。

出版からこれまでに日本語、フランス語などの翻訳版が出されている。『歩道橋の魔術師 漫画版：小荘巻』では、原作短編の中から「九十九樓（99階）」、「強尼‧河流們（ギター弾きの恋）」、「唐先生的西裝店（唐さんの仕立て屋）」、「流光似水（光は流れる水のように）」を漫画化して収録。

中華商場の女子トイレの壁に描かれた不思議なエレベーターの絵には、実在しない99階まで昇れるという噂があった。

トムとマックは、幼い頃にいつもここで遊んでいた仲間。マックは父親が酒を飲んでDVをしている時、いつもトムのところに飛んで来る。ある時マックは一カ月近く姿を消したことがあったが、再び姿を現すと、エレベーターに乗って存在しないはずの99階に行き、透明人間になって中華商場をうろついていたのだとトムに告げる。

大人になった後、マックは妊娠した妻が突然行方不明になり、マックはとうとうエレベーターで自殺することを決め、最後のメッセージを残す。

「本当のことを話すと、99階と1階は何も違わない。」

《天橋上的魔術師圖像版﹔小莊卷》©小莊／新經典文化