メインのコンテンツブロックにジャンプします

台日連携シンポジウム「創造都市&創造農村と持続可能な地域発展」が開催

台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで11月8日、台日連携シンポジウム「創造都市&創造農村と持続可能な地域発展」が開催された。開会の挨拶で謝長廷・駐日代表は「このシンポジウムは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の『創造都市』運動をヒントに、台湾と日本の地域振興の成功例について交流を進めたい。台湾では2009年に初めて『創造都市』が提唱されて以来、10年間でその概念が徐々に台湾各地に広がり、政府部門または社会民間団体を問わず、このような精神を取り入れるようになり、未来の発展計画に組み入れられている」と述べた。

同シンポジウムは、台湾文化部国際事務諮詢委員の福井昌平氏がモデレーターを務め、基調講演では一般社団法人創造都市研究所代表理事の佐々木雅幸氏が「創造都市、創造農村の到達点と新地平――創造的な日本社会を目指して」をテーマに創造都市の概念が世界各地に広がっていることを紹介し、その概念を農村にも広げていくことを期待した。続いて、「台湾都市と農村の特色開発協会」理事長の許主冠氏が「非典型的社会行動から未来を見る――台湾のまちづくりの新たな機会」をテーマに、台北市万華(バンカ)地区の若者団体により地元の歴史文化に根ざした創意あるオリジナル商品を販売する「培根市集(根を張って育てるベーコン市)」の成功事例を説明した。

次に、創造都市リレートークとして、「土溝農村美術館」創設者の黄鼎堯氏が台南市後壁区の農村をアート・コミュニティー化し、若者が集まる農村となった事例を紹介し、日本側からはイタリアレストラン「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフの奥田政行氏が「食材」の観点からの町おこしとして山形県鶴岡市の事例を、キネトスコープ社代表の廣瀬圭治氏が田舎暮らしとデザインによる新しい価値の創造について徳島県神山町の事例を語った。

最後に福井昌平氏は、「台湾と日本は地理的環境が近く、経済、観光、文化交流も緊密であり、このようなシンポジウムを続けていくことにより、より深い交流が生み出されることを期待している」と述べた。