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【文学】国際シンポジウム  作家・甘耀明氏に聞く台湾文学における日本表象

【文学】国際シンポジウム  作家・甘耀明氏に聞く台湾文学における日本表象

最近の台湾では、『セデック・バレ』『KANO』『湾生回家』と日本時代をテーマとした映画が多く作られ、ヒットしていることはよく知られています。文学においても、2009年に発表された甘耀明著『殺鬼』(白水紀子訳『鬼殺し上・下』白水社から201612月下旬刊行)は、皇民化運動~二二八事件までを時代背景としており、様な日本表象がマジック・リアリズムの手法を駆使して描かれていることで話題となりました。「新世代作家」として注目を集めている甘耀明氏を講師としてお迎えし、1972年生まれの戦後作家である甘氏にとっての、日本時代の記憶と創作の関係についてお話しいただきます。


日 時:2017年1月21日(土)14:00~17:00
場 所:台湾文化センター(東京都港区虎ノ門1112虎ノ門ビル2階)
定員:80名(入場無料、予約制。30分前開場、自由席)ご予約の方は本ページ下の「参加申込」をクリックしてください。必要事項を記入のうえ、申込みいただくと、予約確認メールが自動返信されます(迷惑メールに分類される場合があります。事前に設定をご確認ください)。*記入項目のCAPTCHAは「音声再生」の左の4文字です。 


司 会:垂水千恵(横浜国立大学)
第Ⅰ部(14:0014:40
発言者:白水紀子(横浜国立大学)
内 容:甘耀明作『殺鬼』の日本語訳『鬼殺し上・下』(白水社)の翻訳者である白水紀子さんをゲストに、翻訳者から見た甘耀明作品の魅力を語っていただきます。


第Ⅱ部(14:4015:20


発言者:黄美娥(台湾大学)
内 容:台湾文学研究の第一人者であり、『殺鬼』の舞台となった新竹のご出身でもある、台湾大学台湾文学研究所教授の黄美娥さんに、台湾文学における甘耀明文学および『鬼殺し』の意義を語っていただきます。


第Ⅲ部(15:3016:30
講演:甘耀明(作家)「『殺鬼』における日本」(仮題)
内 容:『殺鬼』の著者、甘耀明さんに、日本との関係を中心に自作について語っていただきます


第Ⅳ部 総合討論(16:30~17:00
司 会:垂水千恵
内 容:甘耀明さんを中心に会場を含めた質疑応答を行います。
通 訳:張文菁(早稲田大学)・明田川聡士(横浜国立大学)


 


◯ゲストプロフィール


甘耀明Yao Ming Kan




 


1972年、台湾・苗栗県生まれ、客家出身。台中の東海大学中文系在学中に小説を書き始め、卒業後は苗栗の地方新聞の記者などをしながら小説を書きためていた。2002年「神秘列車」で寶島文学賞審査員賞、「伯公討妾」で聯合報短篇小説審査員賞を受賞するなど、このころ発表した6篇が文学賞を続けて受賞し、03年にこれらの作品を収めた初めての短篇小説集『神秘列車』を刊行。その多彩な表現により「千の顔を持つ作家」と呼ばれて注目を集めた。02年、東華大学大学院に進学し修士号を取得。「新郷土文学」のホープとして、その後の活躍はめざましく、05年、中短篇小説集『水鬼學校和失去媽媽的水獺』で「中國時報」年間ベストテン賞、中篇小説「匪神」で呉濁流文学賞、06年、「香豬」で林栄三文学賞受賞。09年、五年の歳月をかけて書きあげた長篇小説『鬼殺し』で「中國時報」年間ベストテン賞、台北国際ブックフェア小説部門大賞などを受賞し、〝新十年世代第一人〟の代表作と高く評価された。15年、最新作『邦査女孩』を刊行、台湾文学賞金典賞などの賞を多数受賞し、作品を発表するごとに話題を呼んでいる。邦訳書に短篇小説集『神秘列車』(白水社)がある。


◯『鬼殺し 上・下』甘耀明著、白水紀子訳(白水社、20161228日刊行)


『殺鬼』日本統治時代から戦後に至る台湾・客家の村で、日本軍に入隊した怪力の少年が、時代に翻弄されながら祖父と生き抜く。魂を震わす巨篇。 


http://www.hakusuisha.co.jp/book/b253049.htmlhttp://www.hakusuisha.co.jp/book/b253051.html




主 催:
日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(C)26370424「台湾文学における日本表象の相互性について―日本・韓国・中国文学を視野に入れて―」研究代表者・四方田千恵(垂水千恵)
後 援:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター、白水社