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【出版】「Culture Meeting 文活 in 台湾-指標作家展 張曼娟」

【出版】「Culture Meeting 文活 in 台湾-指標作家展 張曼娟」

  台湾の作家を日本の皆さんに知ってもらい、日本と台湾の文学と文化の交流をより盛んにするため、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターは「Culture Meeting 文活 in 台湾-指標作家」を誠品生活日本橋と共同企画しました。

 「指標作家」は文化交流の場として、新たな本との出会いを日本の方々に提供する企画です。台湾の代表的な作家を「今シーズンの指標作家」として 毎季一人ずつ選び、誠品生活日本橋書店のコーナーで指標作家の作品を展示し、新たな本との出会いを日本人の方々に提供し、台湾から日本の読者に中文書の良書をご紹介していきます。


今シーズンの指標作家──張曼娟

期間:2020年9月30日まで

場所:誠品生活日本橋書店で展示中


人生における“ちょうどいい”やさしさ
張曼娟


作家紹介
1961年台湾台北生まれ、東呉大学中国語学科教授を歴任、現在は会社「紫石作坊」の総監督、ラジオのパーソナリティーを務める。1985年から現在までエッセイ、小説を中心に50作近くもの作品を上梓。代表作は『海水正藍』『煙花渡口』『縁起不滅』『我輩中人』など。


「『海水正藍』を読んで人生が変わったという声を多くの方から聞いています。でも、この本で最も大きく変化したのは、私自身だと思います。」──張曼娟


 張曼娟は、20歳の時にデビュー作『海水正藍』で、一躍その名を知られるようになった。そして、この作品によって純文学と大衆文学がくっきり分かれていた台湾の文学界に、中間文学の道が切り開かれたのである。彼女は、その細部まで至る鋭い観察力で、ディテールへの敏感さで、日常生活からインスピレーションを得ている。ぬくもりのあるストーリーは人々の心を癒やし、純文学の細やかさと深みに加え、大衆小説の面白さ、読み易さを合わせ持つ。小説では、実らなかった恋愛がよく取り上げられ、ディープな愛や憎しみ、切なさが表現されている。一方、エッセイは読者にとって心の逃げ場や告解の場となり、人は時には挫折することもあるが、永遠の絶望はないと告げている。
 台湾では張曼娟のどの小説も大きな売上を記録し、シンガポールとマレーシアでは金庸とともに「海外で最も人気のある作家」と並び称されている。そして今、その作品は言葉の壁を越え、人々の心の最も奥深いところに触れようとしている。


『海水正藍』から『我輩中人』まで


 1985年に初の短編小説『海水正藍』が台湾で大ヒットし、50万冊を売り上げた。その後、台湾文学の流れはいくども変化したが、この作品は常に安定して読まれ続け、今でも多くの読者を魅了している。当時まさに青春時代にあった張曼娟は、この時代に対する悔いのない思い、ただただシンプルな愛を書き、導き手になろうと考えた。
 その後、年齢を重ねるにつれ、今はただ自分自身とうまく付き合いたいと思っているという。彼女の著作『我輩中人』は、台湾人の中年世代をめぐる語りを新たに示し、これまで顧みられず迷っていた多くの「大人たちの心」をその言葉で癒やした。人生における心残りや必要とされる覚悟、一人で両親を介護するつらさについて、彼女は断固とした言葉で「自分に戻り、歩み続けていきましょう」と語る。
海水正藍(立體)封面300DPI  OK.jpg


「50歳以降、私はよく『まだ100の半分を過ぎたところで、人生まだ半ば』と自分を励ましている。道はまだ前へと続いている。今の私には、これまでにない落ち着きと自信があるのだ。」――『我輩中人』より

張曼娟_我輩中人_立體書封.png




その他の作品ーーーー
《緣起不滅》平裝.jpg
一度生まれてしまったさまざまな人間の思いは、二度と消えることはない。張曼娟のエッセイの原点、日常生活の心の動きを描き、その抒情の美学を築いた一冊。

《喜歡》【全新增訂版】.jpg
「好き」は、愛ではない。この恋愛小説短編集で述べられているのは、青春の迷い、心にしまった秘密、そして過ぎ去ったものへの未練と痛みである。

《青春(全新版)》.jpg

ロングセラーのエッセイ集。どの作品に描かれた思い出も、ふと入ってみたくなるタイムカプセルのようだ。すでに失った青春への切なさ、年を重ねることの突き刺すような痛みを描く。


剛剛好(一般版).jpg選りすぐりの28編のエッセイで、作者の人生の歩みを記録する。おだやかな言葉、ちょうどいい距離感で、くだけた心たちに静かに寄り添い、ぬくもりと希望を伝える。


以我之名-封面300dpi.jpg

さまざまな経験を経た後、23編の珠玉のエッセイで再び中年世代の風景を描いた作品。読者とともに人生の責任をどう背負い、この間の苦楽をどう受け止めるかを考える。



共催:

台北駐日経済文化代表処台湾文化センター

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