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台湾文化センター台湾映画上映会2026 -映画『うなぎ』(原題:河鰻)トークイベント レポート

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ベルリン国際映画祭はじめ世界の映画祭を席捲、クー・ミンシュン(柯泯薰)主演の話題作! 

チュウ・ジュンタン監督 来日決定!トークイベント開催‼



台湾駐日本代表処台湾文化センターとユーロスペースによる連携企画として、映画『うなぎ』上映会が6月7日(日)にユーロライブにて開催された。上映後に、チュウ・ジュンタン(朱駿騰)監督が登壇しトークイベントが行われた。


『うなぎ』は、現代アートシーンで活躍するチュウ・ジュンタン監督の長編デビュー作。ベルリン国際映画祭「パースペクティヴ」コンペティション部門に、台湾映画として初めて選出され注目を集めた。シンガーソングライターのクー・ミンシュンの出演も話題となっている。

物語は、台北の街中に浮かぶ孤島へ戻ってきた阿亮が、川に漂う謎めいた女性と出会うことから始まる。つかみどころのない彼女との生活は、彼の心の奥に潜む孤独に火を灯していく。時間も記憶も霧のように消えていく孤島で、二人は少しずつ互いに隠してきた傷や物語を明かしていく──。


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登壇者:チュウ・ジュンタン監督


人も島も、うなぎのように漂い続ける―

チュウ・ジュンタン監督が描く“居場所”の物語


チュウ監督が「もともとは映画を専攻していましたが、その後はアート関係の仕事をしていました。『うなぎ』は20数年ぶりに映画界に戻り、自分にとって初めての長編作品です。みなさんからもたくさん質問もしてほしいです!」と、ほがらかに挨拶をした。

キュレーターのリム・カーワイからタイトルの意味を問われると、「うなぎは回遊する魚です。旅を続け、川で産卵し、最後は海へ向かう。その生態には命が巡っていくようなロマンチックを感じます。主人公の男女は川で出会い、自分自身を探している。彼らもうなぎのような存在だと思っています。」と語った。

男女が出会うのは、台北にある社子島という孤島だ。「社子島は二つの川が交わる場所にあります。約50年前から政府によって開発が制限されていて、台北の中心部にありながらあまり知られていない島です。今も半世紀前とほとんど変わらない風景が残っていて、まるでタイムカプセルに閉じ込められたような雰囲気があります」とチュウ監督が説明すると、「とても不思議な雰囲気のある、SFぽさを感じる風景ですよね。」とリムが応じた。「主人公だけではなく、社子島も、映画に出てくるすべての人物、動物、物質すべてが、みな同じような状態にあります。必要とされなくなって、忘れられてしまっている。将来はどうしていいかわからないような、そういう状態というのが、この作品を貫いています。」と、映画の主軸となるテーマについてチュウ監督が語った。

長編デビュー作となる本作には、チュウ監督自身の人生観が色濃く反映されている。「自分は根っこのない人間だと、ずっと思っています。幼い頃、すべてのものは永遠には続かないし、存在し続けることはできないと気付いたときから、ものを失うことに恐怖を覚えました。人生を積み重ねる内に、所有するものは増えていくと、逆にそれらを失うことが恐ろしくなっていきます。それは映画の主人公自身にも反映されています。」と胸の内を語ると、「ここまでご自身のことを誠実に語ってくれて、感謝します」とリムが応えると、チュウ監督は照れたような笑顔井を見せた。



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ユーロライプ 台湾映画上映会



リムから、撮影をベトナムの方が担当していることついて問われると、「フィックスでも手持ちで撮るときも、生命力を感じられるような撮影ができるひとを探していた。撮影直前に観たベトナム映画の撮影が、非常に印象的だったんですが、たまたまふたりの知り合いから紹介されたのが、まさにそのベトナム映画のカメラマンだったんです。」と説明。「音楽もそのカメラマンから紹介してもらい、直感的にいいと思いました。」と、偶然の出会いが作品づくりにつながったことを明かした。


会場からは、「エンディング曲が加山雄三の「君といつまでも」でびっくりした!劇中にも昔の歌謡曲が多く使用されていた」ことについて質問が寄せられた。「劇中で使用した楽曲はすべて自分で選びました。日本の有名な曲ということは知っていましたが、使用したのは台湾版です。脚本を書いているときに、ふとこの曲のメロディーが浮かび、この歌詞はまさに登場人物たちのモノローグとして、映画の結末にふさわしいと思ったんです。」とはにかんだ。これに対し、マレーシア出身のリムが「僕も小さい頃から、ヤオ・スーロン(姚蘇蓉)が歌う「君といつまでも」を聴いていました。台湾だけではなく東南アジアでも大変人気のあった歌手です。」と補足した。

さらにリムは、台湾映画には珍しい非現実的でありながら社会の本質に迫る作品から、70年代の日本映画の雰囲気が感じられるとし、「寺山修司やロマンポルノからの影響はあったのか」と質問した。チュウ監督は「日本映画からの影響はあるかもしれません。というのも、映画を勉強していたとき、大島渚監督と岩井俊二監督がとても好きで、特にこのふたりからは影響を受けていました。」と答え、自身の創作の原点を語った。

最後に台湾映画の魅力について問われると、チュウ監督は次のように述べた。「私はずっと台湾で生まれ育ちました。台湾はちょっと特別な場所だと思います。それは文化的にも政治的にも、地理的な意味も含めてです。こうした小さな島で生きていて、さまざまなプレッシャーもあります。そういった自分たちを取り巻く特別な感覚というのが、台湾映画にも反映されていると思います。それこそが、台湾映画の魅力なのかなとも思います。」とはにかむと、会場からはあたたかい拍手が送られ、トークイベントは幕を閉じた。


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登壇者:チュウ・ジュンタン監督×リム・カーワイ(『台湾映画上映会2026』キュレーター・映画監督)