台湾文化センターの協力で、台湾を代表するアーティスト・王文志氏の作品《抱擁・小豆島》を、毎回約100万人が訪れる日本の瀬戸内国際芸術祭に出展いたしました。本年の芸術祭には、37の国と地域から合計256作品が参加し、瀬戸内国際芸術祭はアジア屈指の国際芸術イベントとして知られています。
4月18日に行われた開幕式には、香川県知事・池田豊人氏、芸術監督・北川フラム氏、台北駐大阪経済文化弁事処・洪英傑処長、駐日台湾文化センター・曾鈐龍センター長をはじめとする来賓および出展アーティストが出席し、盛大に開催されました。

芸術監督の北川フラム氏は、「王文志氏の作品は、毎回異なるイメージを持ち、多くの来場者がその中で休息し、空や自然を眺めながら過ごしています」と述べ、日本メディアでも本作品が「瀬戸内芸術祭を代表する見逃せない作品」として紹介されるなど、台湾文化の国際的な存在感が高まっています。

台湾文化部長の李遠氏は、「文化部は長年にわたり、駐外拠点を通じて台湾の芸術・文化団体の国際芸術祭への参加を積極的に支援してきました。本作品は台日共同制作の形で生まれ、現地住民との間に深い絆が築かれたことは、台日友好の証です。今後も台湾の物語を世界に届け、台湾文化の力強さを伝えてまいります」と語りました。

また、駐日代表の李逸洋氏は、「日本台湾交流協会の調査では、76%の台湾国民が『日本が最も好きな国』と回答し、過去最高を記録しました。文化の力は国家の重要な資源であり、台湾の魂でもあります。台湾のアーティストが日本の国際芸術祭に参加することで、文化を通じた外交が進展し、日本の方々に台湾をより深く知っていただくことができると信じています」と述べ、今後も日台間の文化交流を強力に推進していく姿勢を示しました。

王文志氏は、「小豆島は私の心の中の『第二の故郷』です。今回の制作には、台湾チーム、国際ボランティア、現地住民、そして芸術祭のボランティアチーム『こえび隊』と共に、約4,000本の竹を使用して共同で作品を創り上げました」と語り、「《抱擁・小豆島》は私にとって最も挑戦的かつ革新的な作品であり、過去最長の竹の回廊構造や立体的な『小豆島地図』の床など、新たな表現を多く取り入れました。この空間に足を踏み入れた人々が、光や風、周囲の自然と対話するように、島の鼓動を感じていただけたら」と述べました。

「抱擁」は温もりであり、無言の対話です。竹を編んだ空間の中で、交差する竹片に触れ、差し込む陽光とそよ風に包まれながら、人々は土地の呼吸と記憶に出会います。王文志氏は、混沌とした時代だからこそ、来場者がゆっくりと作品の中を歩き、大自然とのつながりを肌で感じることを願っています。
台湾文化センターは、今後も創造的なアプローチを通じて台湾のアートを国際社会に発信し、台湾アーティストの国際的な認知度向上、海外での芸術市場開拓、そして国際的な協力と交流の機会創出に努めてまいります。
