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台湾文化センター台湾映画上映会2026 -映画『宵闇の火花(原題:愛作歹)』トークイベント レポート

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ベルリン国際映画祭正式出品!裏社会で生きる男たちのクィア・ノワール!

チュウ・ピン監督 来日トークイベント開催‼



台湾駐日本代表処台湾文化センターと慶應義塾大学東アジア研究所による連携企画として、映画『宵闇の火花』上映会が7月25日(土)に慶應義塾大学<三田キャンパス>北館ホールにて開催された。上映後に、チュウ・ピン(朱平)監督が登壇しトークイベントが行われた。


『宵闇の火花』は、裏社会で生きる男たちを通して、社会の闇に埋もれた人間の感情と欲望を描くクィア・ノワール。チュウ・ピン監督の長編デビュー作で、第75 回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品、テディ賞最優秀作品賞にもノミネートされた。

ホアン・グァンジー(『娼生』)、シー・ミンシュアイ(『本日公休』)が共演した話題作だ。



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登壇者: チュウ・ピン監督



“愛が悪いことをする”とは何か──

ベルリンが注目したクィア・ノワール『宵闇の火花』誕生秘話


満席の会場を前にチュウ・ピン監督が「今日は皆さんに来ていただけて、本当にうれしいです。」と、やや緊張した面持ちで挨拶すると、大きな拍手が起きた。キュレーターのリム・カーワイが、「本当に素晴らしい作品で、こんなに大きな拍手が起きるということは、皆さんが作品に満足してくれたということですね。」とほほ笑むと、チュウ監督がはにかんだ。

『愛作歹』というタイトルについて問われると、チュウ監督は「主人公たちは裏社会で生きる男たちなので、“悪いことをしたがる人たち”という意味があります。同時に、“愛が悪いことをする”という意味も込めています」と、タイトルに込めた思いを語った。


これまで台湾映画ではあまり描かれてこなかったクィア・ノワールという題材を選んだ理由について問われると、「映画監督以外に、普段は工事現場や水道配管の仕事もしています。そうした現場には前科のある人も多く、自分にとって身近な存在でした。彼らのような人たちを描いてみたいと思ったんです」と説明。また、主人公が出所後に働く果物市場についても、「両親が果物の卸業を営んでいたので、子どもの頃から親しみのある場所でした」と、自身の生い立ちとのつながりを明かした。


さらに、本作誕生のきっかけについて、「リサーチの中で、刑務所という閉ざされた環境では、同性愛者でなくても同性同士で親密な関係を持つことがあると知り、とても驚きました。その関係は出所後も続くのだろうか。彼らはどのように向き合うのだろうか、と考えたことが、この物語の出発点になりました」と振り返った。



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慶應義塾大学 台湾映画上映会



本作は台湾の公共放送・公視(PTS)の企画として制作された。「新しい世代の監督発掘の企画として、脚本段階から公視の支援がありました。題材や内容に制限はなく、自分に任せてくれた部分が大きかったです。ただテレビ放送されるので、あまりに汚い言葉は入れることができないとは言われました。」と、チュウ監督がはにかんだ。


主演のホアン・グァンジーとシー・ミンシュアイは、脚本段階からイメージしていた俳優だったという。感情表現ではセリフを極力削り、視線や表情だけで伝える演技を求めた。「現場ではホアンがシーをとても慕っていて、本当にいいコンビでした」と撮影時の様子を振り返った。


会場から「長回しが多いのはなぜか」と問われると、「俳優の演技が素晴らしく、役に入り込んでいる彼らの感情を切ってしまいたくなかったんです。」と語り、主演二人への厚い信頼がうかがえた。参考作品には、1980 年代の台北・モンガを舞台にしたニウ・チェンザー監督『モンガに散る』(2010)を挙げた。「出所した主人公が母親に作った麺は何ですか」という質問には、「豚足麺です」と笑顔で回答。「豚足麺には邪気を払う意味があり、出所した人が縁起を担いで食べる料理なんです。でも刑務所に入ったことがない人でも、もちろん食べられますよ」とユーモアたっぷりに話し、会場は笑いに包まれた。


最後に台湾映画の魅力について問われると、チュウ監督は「ベルリン国際映画祭で『台湾で映画を撮る際に制限はありますか』と質問されました。でも私は、それまでそんなことを考えたこともありませんでした」と振り返る。「台湾では政治、宗教、同性愛など、どんなテーマでも自由に描くことができます。前衛的な作品もあれば、自分のような伝統的な作品もある。その多様性こそが台湾映画の魅力だと思います」と語った。リム・カーワイが「『宵闇の火花』は来年、日本公開が決まっています。ぜひ応援してください!」と呼びかけると、会場は大きな拍手に包まれた。



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登壇者:左から/  吉川龍生(慶應義塾大学経済学部教授)  ×  リム・カーワイ(『台湾映画上映会2026』キュレーター・映画監督)  ×  チュウ・ピン監督