台湾映画「湾生回家」が11月12日から、東京・岩波ホールで日本上映が始まります。日本と台湾が「時代」によって切り離された結果、湾生の人々は台湾という故郷を失いました。その経験や思いは、戦後、日台双方でいろいろな理由から語られることがほとんどなく、歴史のなかに埋もれつつありました。そんな湾生の物語を掘り起こし、現代に蘇らせたものが「湾生回家」です。
このイベントは、映画を見られた方、これから映画を見る方、湾生に関心を持っている方々のために、湾生の皆さんの生の声を実際に聞かせていだだく場になります。映画に出演された家倉さんは福井から、松本さんは奈良から、このイベントのために駆けつけて下さいます。映画の原作となった書籍「湾生回家」を執筆された台湾在住の田中實加さんも、ご出席いただくことになりました。彼女の努力と取材がなければ、映画「湾生回家」は生まれませんでした。田中さんがどうして湾生の声を記録し、伝えようと考えたのか、台湾の人々にとって湾生問題とは何なのかを、ご自身の言葉で力強く語っていただきます。
日時:11月13日(日)午後2時〜4時半(午後1時半開場)
主催・場所:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター(港区虎ノ門1-1-122F)
申し込み:先着120人(入場無料) 定員に達しましたので、受付を終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
後援:太秦、日本情報多言語発信サイト「nippon.com(ニッポンドットコム)」
本イベントで、映画の上映はありません。
映画ご覧になりたい方はぜひ映画館まで足を運んでください。
上映劇場情報は、台湾映画「湾生回家」オフィシャルサイト http://www.wansei.com/ までご参照ください。
イベント内容
(第一部)湾生座談会
登壇者:
家倉多恵子さん/『湾生回家』出演者
松本洽盛さん/『湾生回家』出演者
野嶋剛さん/ジャーナリスト(コーディネーター)
(第二部)講演
「なぜ、湾生の言葉を伝えようと思ったのか」(仮題)
講演者:「湾生回家」原作者 田中實加(陳宣儒)さん/映画『湾生回家』エグゼクティブプロデューサー
【映画「湾生回家」について】
敗戦によって台湾から強制送還された日本人は、軍人・軍属を含め50万人近かったといわれる。20万人の「湾生」と呼ばれる日本人にとって、台湾は紛れもなく大切な「故郷」だった。しかし、敗戦という歴史の転換によって故郷から引き裂かれ、未知の祖国・日本へ戻らされた。本作は、「湾生」たちの望郷の念をすくい取った台湾のドキュメンタリー映画。台湾で上映された際に足を運んだ人々は、日本統治時代を知らない若者たちが多く、「湾生」たちの台湾に寄せる望郷の念に感動し、「湾生も自分たちと同じなのだ」と涙を流す観客も少なくなかったという。戦争の渦に巻き込まれ、生まれた土地を離れざるをえなかった「湾生」。彼らは、自分たちの存在が歴史の闇に埋もれ、忘れ去られようとしているなか、台湾への深い思いを語り続ける。こみ上げる失望、喪失感、涙と悔恨。歳月の壁と闘いながら、家族や友人たちを、ともに過ごした場所を、心に留めるため幾度も台湾へ向かう。身を焦がすような台湾への愛から生まれた映画「湾生回家」は、時間と空間を超えた人間同士の友情と家族の絆の物語です。残された時間のなかで「湾生」たちが語る言葉から、台湾に対する信頼と絆、愛、希望、そして平和への願いが、私たちの心の中に静か響く作品です。(映画公式サイトより)
ドキュメンタリー映画『湾生回家』予告篇