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【ミュージカル】宮本亞門が台湾映画『海角七號』の ミュージカル制作を発表!

【ミュージカル】宮本亞門が台湾映画『海角七號』の ミュージカル制作を発表!

日本を代表する演出家宮本亞門が、台湾映画の大ヒット作にして名作『海角七號(日本公開タイトル:海角七号君想う国境の南)』のミュージカルを制作することを、29日に台湾で発表した。 


映画『海角七號』は、台湾南部のリゾート地でライブ開催に関わる人々の人間模様と、日本人教師と台湾女性の60年にわたる愛の軌跡が交差して綴られていく音楽映画で、2008年に台湾で公開され53千万台湾ドルという歴代トップの興行収入を上げ、社会現象を起こした。 


興行成績だけではなく国内外で数々の賞も獲得、監督の魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)は当時低迷していた台湾映画界の救世主と言われ、いまだにこの記録を破る作品は現れていない。 


この映画を見て感動しいつかミュージカルにしたいという思いを抱き続けていた宮本亞門が魏徳聖監督にこのことを告げたところ、快諾を得て実現に向けて進み今回の発表となった。 


 




上演されるのは、2017年の「高雄春天芸術節」での54日〜7日の5公演。高雄市は、映画『海角七號』の舞台となった恒春が近く、同じ台湾南部であることから今回のミュージカルにも全面協力を約束。


魏徳聖監督は旧知の仲であるミュージカルに興味を持つプロデューサーで有名俳優の澎恰恰(ポン・チャアチャア)と共にエグゼクティブプロデューサーも引き受け、キャストは映画のオリジナルキャストを中心に新風も盛り込んだ魅力の顔ぶれだ。 


主役の范逸臣(ファン・イーチェン)や劇中のバンドメンバーはもともとミュージシャンだが、ヒロインの日本人女優田中千絵は音楽経験がなかった。しかし、実際に歌とダンスにトライして見せたところ宮本亞門は「(歌う)声が出る人で、トレーニングすればいける。ダンスも良いのでもしかしたら舞台向きの女優かも知れない」と合格点を出した。 


 




また、キャストの中で月琴(台湾の伝統楽器)の名手で独特のキャラクターから大人気になった林宗仁(リン・ツォンレン)は2011年に亡くなったため、この役は魏徳聖が澎恰恰に要請し、大御所の登板となる。 


さらに、バンドのキーボード奏者の少女は、日本でも活躍した欧陽菲菲(オウヤン・フィーフィー)の姪にあたり台湾で人気の美少女欧陽三姉妹の末っ子欧陽娣娣(オウヤン・ディーディー)が抜擢された。
 


今回のミュージカルでは音楽は映画版の倍くらいに増える予定で「主役の范逸臣が映画でもメイン曲を作っているが、今度もオリジナル曲を数曲書き下ろしてもらう。他の出演者からも楽曲を聴いて欲しいと提案がありましたし、台湾の伝統音楽も盛り込み多様な音楽を楽しんでもらいたい」と宮本亞門が熱く語った。  




会見の最後には、作品のモチーフになる「手紙」にちなんで『海角七號』のポストカードに登壇者がサインをしてポストに投函するセレモニーが行われ、公演の成功を祈願した。 


様々な分野でますます交流を深める日本と台湾で、またひとつ新しい""ができる。 


「国や言葉を越えてのミュージカル製作は本当にミラクルです。台湾や日本の人々、そして僕が受けた感動を、ミュージカル『海角七號』によって世界中に伝えたい」 


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 ★ミュージカル『海角七號』


公演期間:201754日~57日(5公演) 


公演会場:高雄至德堂(台湾 高雄市苓雅區五福一路67號) 


エグゼクティブ・プロデューサー:魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)、澎恰恰(ポン・チャアチャア) 


プロデューサー:曾慧誠(クリス・ツァン) 


演出:宮本亞門 


キャスト:澎恰恰(ポン・チャアチャア)、范逸臣(ファン・イーチェン)、田中千絵、馬念先(マー・ニエンシェン)、民雄(ミンション)、應蔚民(イン・ウェイミン)、欧陽娣娣(オウヤン・ディーディー)ほか 


主催:高雄市政府文化局 


共同主催:果子電影有限公司 


製作:耀演劇團  




[プロフィール]


宮本亜門


演出家 


1958年、東京・銀座生まれ。ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎等、ジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がけている 


2004年、東洋人初の演出家としてニューヨークのオンブロードウェイにて「太平洋序曲」を上演し、同作はトニー賞の4部門でノミネートを果たす。


2005年に上演したミュージカル「Into The Woods」の演出で、朝日舞台芸術賞の秋元松代賞を受賞。 


2011年KAAT神奈川芸術劇場こけら落とし公演として三島由紀夫原作の「金閣寺」を舞台化。NYリンカーン・センター・フェスティバルに正式招へいされた。 


2013年8月には初めての歌舞伎演出となる 市川海老蔵自主公演「ABKAI」での新作歌舞伎を上演。また、9月には欧州初のオペラ演出として、オーストリアにてモーツァルトのオペラ「魔笛」を世界初演し4万人を動員。 


2015年10月、上賀茂神社の式年遷宮での奉納舞台『降臨』を演出。 


2016年2月、ニューヨークにて、宮本亜門構成・演出、DRUM TAO (和太鼓グループ)のオフ・ブロードウェイ公演が行われる。3月には、三島由紀夫最後の戯曲「ライ王のテラス」を演出した。 


今後の活動としては、2016年10月にシンガポールのアジア文明博物館にて世界初の能と3D映像を掛け合わせた「幽玄」の野外上演、12月にミュージカル「プリシラ」を上演予定。 




★映画『海角七號(日本公開タイトル:海角七号−君想う国境の南−)』


監督・脚本:魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)


出演:范逸臣(ファン・イーチェン)、田中千絵、中孝介、馬念先(マー・ニエンシェン)、民雄(ミンション)、應蔚民(イン・ウェイミン)ほか


2008年台湾公開、2009年日本公開


台湾金馬奨6部門受賞(最優秀台湾映画賞、作曲賞、主題歌賞、助演男優賞ほか)


ハワイ国際映画祭 作品賞


台北映画際グランプリ、撮影賞、観客賞


アジア海洋映画祭イン幕張グランプリ


アカデミー賞外国語映画賞台湾代表作品


日本配給:ザジ・フィルムズ/マクザム


日本版DVD:マクザムより発売中