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【講座】「海と住む――台湾東部の海岸線にデザインされた住宅建築をめぐって」

【講座】「海と住む――台湾東部の海岸線にデザインされた住宅建築をめぐって」

台湾東部は風光明媚な自然で知られるが、その海岸線沿いに、雄大な景観と一体化するように建つ建築がいくつも点在することはご存知だろうか。これは台湾を代表する建築家の一人・陳冠華氏が約20年にわたりデザインをした住宅群だ。鉄筋コンクリート造によるこれらの住宅は、荒々しい材料の質感、海風による汚れ、そして絡まったツタが相まることで、人工物でありながらも自然環境のなかに溶け込む、きわめて独特な佇まいをもつ。まるで遠い昔に打ち棄てられた〈廃墟〉のようだが、実際には、室内と室外が有機的につながるように周到に設計された、とても魅力的な住環境でもある。数軒は、一般に開放された民宿として転用されているから、東部旅行のさいに利用してみるのもいいだろう。


この講座は陳冠華氏による日本最初のレクチャー。陳氏の建築を出発点として、台湾東部の自然環境や建築について、台湾建築にも造詣がふかい建築史家・五十嵐太郎氏が聞き手となって紹介する。




 




 



ゲスト:陳冠華(建築家)、五十嵐太郎(聞き手、建築史家)


司会:市川紘司(建築史家)


通訳:池田リリィ茜藍


時間:610日(金)19時から(21時終了予定)


会場:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター(最寄りは東京メトロ虎ノ門駅)


定員:100名(入場無料、予約制。30分前開場、自由席)→ご予約の方は本ページ下の「参加申込」をクリック



ゲスト・プロフィール


陳冠華(ちん・かんか)


建築家。台湾元智大学助教授。1981年逢甲大学卒業。1988年オレゴン大学大学院修了。「石梯坪高宅」(1997年)、「長賓李宅」(2006年)、「都歷郭宅」(2007)など、台湾東部における「花東海岸小住宅シリーズ」の建築家として知られる。2014年に作品集『逐海而居──陳冠華花東海岸小住宅設計』(田園城市出版)を刊行した。


 


五十嵐太郎(いがらし・たろう)


建築史家、建築評論家。東北大学大学院工学研究科教授。工学博士。1967年生まれ。2008年第11回ヴェネツィアビエンナーレ国際建築展キュレーター。2014年芸術選奨新人賞芸術振興部門受賞。おもな著作に『読んで旅する世界の名建築』(光文社新書)、『忘却しない建築』(春秋社)、『日本建築入門』(ちくま新書)など。


 


市川紘司(いちかわ・こうじ)


建築史家。東京藝術大学美術学部建築科教育研究助手。1985年生まれ。20132015年中国政府奨学金留学生として清華大学建築学院留学。おもな著作に『中国当代建築——北京オリンピック、上海万博以後』(フリックスタジオ)など。