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没後50周年を記念し、当代の書聖「于右任回顧展」が東京の池袋で盛大に開催

没後50周年を記念し、当代の書聖「于右任回顧展」が東京の池袋で盛大に開催

中華民国(台湾)における著名な政治家の1人であり、書家として「当代の草聖」とも謳われた于右任の没後50周年を記念し、「于右任回顧展」が4月23日~同27日の会期で、東京・池袋の東京芸術劇場展示ギャラリーにおいて、台北駐日経済文化代表処(以下、駐日代表処)、文化部(文化省)・国立歴史博物館および日本の美術新聞社の共同主催により開催されている。


 同展は書家としての于右任に焦点を当て、台湾の国立歴史博物館収蔵作品31点、中華海峡両岸文化資産交流促進会の収蔵作品53点、合計84点の作品が展示されており、いずれの作品も日本初公開となっている。于右任は草書を得意としており、当時、統一性のなかった草書体を標準化する「標準草書」を提唱し、規則性のあるものへと体系化した。


 23日には、同展会場入口で開幕式が開かれ、駐日代表処の沈斯淳・代表があいさつの中で、「同展を通して、日本の方々に台湾で守り伝えられてきた書道芸術についての理解を深めていただき、互いに切磋琢磨して書道芸術交流を増進し、台日文化交流がより一層深く、緊密になることを祈念している」と述べた。


 同展を後援した公益財団法人交流協会の小松道彦・総務部長は、「この度の于右任先生の書に触れた方々は、日台間に漢字という美しい共通文化があることを再認識できれば、大いなる日台交流の成功につながる」と期待の意を表した。


 中華海峡両岸文化資産交流促進会の王水衷・名誉理事長は、「于右任先生の晩年の作品にはとりわけ懐の大きな、人生を顧みる先生の最高の境地に触れることができる。同展を通して、于右任先生の作品と人生に触れ、時代の巨人である先生の功績にエールを送りたい」と強調した。


 長年にわたり台日間の書道交流に尽力してきた淡江大学の張炳煌・教授は、「国を代表できる作品を集めて今回展示できたことは、台日文化交流にとり大変良いことである」と述べた。


 開幕式には、ユーキャンの品川惠保・会長、美術新聞社の萱原晋・社長もあいさつを述べた。続いて、あいさつの登壇者のほか、東京華僑総会の李維祥・会長、日本の書家らも加わり、テープカットが行われた。その後、沈・駐日代表は、中華海峡両岸文化資産交流促進会の王・名誉理事長、張教授、国立歴史博物館の蔡耀慶氏らの説明を受けながら、展示作品を1つ1つ鑑賞した。


 初日の会場には、日本の書家および書道愛好家をはじめ、華僑界の関係者ら数多く訪れた。開幕式の後には、展示会場と同じ階にある大会議室で、記念講演が開かれ、張教授が「于右任の人と書」と題し基調講演した後、張教授が日本の書家の杭迫柏樹氏、江口大象氏と共に、「于右任の書について」をテーマに、記念鼎談を行った。